【安全対策を考える】画像で見抜く危険予知:高所作業場の問題
あらゆる企業では日常的に安全対策を施し、従業員に危険のない業務を提供する事が義務づけられていますね。
ただ、各現場の責任者も問題が上がらない事には安全対策を取りようがない事実という側面があり、その問題を提起するのは実際に現場で働く従業員こそが知っている問題でもあります。
しかし、問題を提起する筈の現場従業員は、その現場に慣れてしまっている事が悪く作用し、それが当たり前の環境と錯覚してしまうのですね。
この負のループによりなかなか改善が進まない問題は生じ、今もどこかでつまらない原因で事故が発生し続けているというのが1つの事実です。
という事で、僕が気まぐれに撮影した画像をもとに、どこにどんな危険性があるのかを考えていきましょう。
このページの流れは以下の通りです。
- 僕が用意した1枚以上の画像を眺めてもらいます。
- 撮影した画像の簡単な説明を施します。
- 僕が用意した画像から、僕自身が気になる問題点を少しだけ提起します。
- 問題点はあなたの作業環境によって見え方が変わってくるでしょう。あなたの環境に合わせた問題点を探してください。
- 可能であれば、安全対策の案に繋げてください。
- 目で見える決定的な問題点に執着する必要はありません。『もしも…』のHHKに役立てる事も出来ます。
- 画像を見て考えられる回答に不正解はありません。あくまで安全を確保するためには? という分野に役立ててください。
では、参りましょう。
今回は高所作業場の問題です。
画像から考える安全対策【高所作業場の問題】 実際の画像と説明
まずは実際の画像です。
高い位置での作業
1人入るのが限界の作業現場
高所作業車両の一例
ニチユ製:ピッキングリフト
(高所作業用フォークリフト)
画像の説明(危険のヒント)
- とある倉庫業の商品ラックの一部です
- ラック3段目は商品が積めるだけ積むことができ、天井到達まで積み重ねが可能です
- 作業はピッキングリフトを運転しながら行います
- ピッキングリフトには限界速度が存在します
- 作業の高低差は床面から0~3メートルの中で行います
- 車両を利用する作業のため、完全に1人で業務をこなします
- 有資格者が行う業務のため、誰でもできる事ではありません
- 限られた時間内に既定の作業量が求められます
- 過去に何度も転落事故が発生しています
- 高い位置での作業があるため、商品落下の危険性があります
- 積み終えた商品はパレットのまま、次の担当者に回されます
これらの条件で危険を考えてみましょう。
画像から考える安全対策【高所作業場の問題】 僕が考える問題点
僕から3つ挙げてみますね。
危険ポイント1:限界を設けない商品格納
不必要にどんどん積み上げられる商品に問題あり。何かのはずみで落下する危険性があり、下部に位置する商品や、偶然通りかかった関係者を怪我させる恐れあり。
1の対策:
- 商品を積む高さの上限を設ける。
- 落下防止の対策を講じる。
危険ポイント2:作業方法を根本的に見直す
複数存在する過去の落下事故を反省していない。今後も同様の事故が発生して当たり前。
2の対策:
- 作業方法を完全に変える。
- 極端に落下しにくい作業法を模索する。
- 万が一の落下時、重篤なダメージを受けないような安全策を講じる。
危険ポイント3:高所作業がそもそも危険
高所作業が危険なのは当たり前。3メートルの高さで素早い動きを要求される仕事の方が間違っている。
3の対策
- ラックの最上段を2メートル以下に変更する。
- 3段目以上のラックを利用しない。
- ピッキングリフトを使用しない作業法に変える。
画像から考える安全対策【高所作業場の問題】 あなたは何を問題視する?(まとめ)
という事で僕自身は3つばかり画像から問題点を拾いましたが、まだまだ可能性という意味で問題点はたくさんあります。
- その可能性は安全管理不足の危険性に留まりません。
- 作業効率化につなげるにはどうすれば良いか?
- HHKはどこに潜んでいるのか?
- 効率性と安全性を同時に高めるにはどうすれば良いか?
そんな事をイメージしながら様々な危険性を考えてください。
高所作業場について
高所作業の多くは1人、または少人数で行う場合がほとんどですが、この理由は単純に人数が増えるほどに転落の危険性が生まれるからです。
言い方を変えれば高所作業の多くは単独で作業を行う事になるため、いざ危険に遭遇した際に助けを求めるのが非常に困難な話でもありますね。
例えば転落に見舞われた際に身体を地面まで落とさない様にするため、命綱など安全用具は確かにありますが、フルハーネスにしても腰ベルトにしても、身体を支える頃になるロープの数は1本なので、衝撃は相当なものです。
また、宙吊りの状態で助かっても既に自分で高所作業車を運転する位置にはおらず、また、周囲関係者に気付かれない時のダメージ蓄積は凄まじいと聞くため、高所で作業する業務を見直した方が良いと考えるのが何よりの安全対策といえるかもしれませんね。
もちろん、送電線などの鉄塔を利用した高い位置の作業などは、今しばらく人手でなければ管理し切れないのでしょうが。
関連記事
>>画像から考える危険予測20(このテーマのもくじに戻ります)
当サイトの総合的なもくじ事ページに飛びます。