安全管理の考え方【設備の問題】画像から見れる危険性は?
安全対策・危険予測・HHK・セーフティモーメント・朝礼ネタ・会議ネタ・ひとことスピーチなど、なんにでも活用できる会社ネタの1つです。
あらゆる企業では日常的に安全対策を施し、従業員に危険のない業務を提供する事が義務づけられていますね。
ただ、各現場の責任者も問題が上がらない事には安全対策を取りようがない事実という側面があり、その問題を提起するのは実際に現場で働く従業員こそが知っている問題でもあります。
しかし、問題を提起する筈の現場従業員は、その現場に慣れてしまっている事が悪く作用し、それが当たり前の環境と錯覚してしまうのですね。
この負のループによりなかなか改善が進まない問題は生じ、今もどこかでつまらない原因で事故が発生し続けているというのが1つの事実です。
という事で、僕が気まぐれに撮影した画像をもとに、どこにどんな危険性があるのかを考えていきましょう。
このページの流れは以下の通りです。
- 僕が用意した1枚以上の画像を眺めてもらいます。
- 撮影した画像の簡単な説明を施します。
- 僕が用意した画像から、僕自身が気になる問題点を少しだけ提起します。
- 問題点はあなたの作業環境によって見え方が変わってくるでしょう。あなたの環境に合わせた問題点を探してください。
- 可能であれば、安全対策の案に繋げてください。
- 目で見える決定的な問題点に執着する必要はありません。『もしも…』のHHKに役立てる事も出来ます。
- 画像を見て考えられる回答に不正解はありません。あくまで安全を確保するためには? という分野に役立ててください。
では、参りましょう。
今回は設備の問題です。
画像から考える安全対策【設備の問題】 実際の画像と説明
まずは実際の画像です。
画像1:足の折れた重量ラック
画像2:ぜんぜん足りない保管スペース
画像3:旧時代設備の使い回し
画像の説明(危険のヒント)
- とある倉庫現場の実際の画像です。
- 画像1は設置して数十年経過する重量ラックの脚の部分です。
- 画像1のラックの脚が破損している理由はフォークリフトの衝突の影響です。
- 画像2は創業時から増設されない小物ラックの様子です。
- 画像2のラックから商材がせり出す様子は、単純に置く場所が不足しているからです。
- 画像3はカゴ台車の様子。こちらも創業時から利用される約50年が経過したカゴ台車です。
- 画像3のカゴ車の多くは非常に重く、ついでに車輪が歪んでいるものが多い状態です。
- 経費節減の意味があってか、どれだけ物が壊れても利用し続けるスタイルです。
- カゴ車のみは壊れた際に補修されますが、補修員は素人なのか、直しても即座に壊れるケースが後を絶ちません。
- 非力な人材は積荷ありのカゴ車を移動できないほどに重くなります(最大約600㎏)
- カゴ車の老朽が激しく、突如脱輪するケースも。それが原因で足を潰す労働災害も過去に発生。
これらの条件で危険を考えてみましょう。
画像から考える安全対策【設備の問題】 僕が考える問題点
僕から3つ挙げてみますね。
危険ポイント1:いつ大事故が発生してもおかしくない状況
画像1は設置して数十年が過ぎるのに交換どころか放置状態なのがおかしい。
破損によっていつ倒壊してもおかしくないが、その場合は大惨事になる事が容易に想像できる。
1の対策:
- 定期的に目視確認を行い、必要に応じてメンテナンス・交換を実施する。
- フォークリフトが直接当たらないような工夫をする。
危険ポイント2:床面に商品がせり出している。
画像2は商品が溢れすぎている。また、直置きであり見た目にも宜しくない。早い話が商品の扱いではない。
躓きの原因にもなり、思いもよらない大怪我に繋がる事も考えられる。
2の対策:
- 全ての商材が入り切る十分なラックを用意する。
危険ポイント3:カゴ車を近代化する
見るからに重そうなカゴ車の使用である。今どきの安全が考えられていない。
もともとこのカゴ車で怪我人が出ているなら、早々に交換すべき。
3の対策
- 私用する台車を一新する。
- 壊れた順から交換するなど、時代に合わせた備品に入れ替える。
画像から考える安全対策【設備の問題】 あなたは何を問題視する?(まとめ)
という事で僕自身は3つばかり画像から問題点を拾いましたが、まだまだ可能性という意味で問題点はたくさんあります。
- その可能性は安全管理不足の危険性に留まりません。
- 作業効率化につなげるにはどうすれば良いか?
- HHKはどこに潜んでいるのか?
- 効率性と安全性を同時に高めるにはどうすれば良いか?
そんな事をイメージしながら様々な危険性を考えてください。
老朽化した設備の危険性について
老朽化した設備とは意外と怖い存在で、日常的に目にする設備ほど状態に気付き難いものですね。
どんな時にもそこにあって当り前に思える設備ほど、考えてみれば長い期間その場に鎮座するものであって、それがいつか壊れると誰もが知りつつも、実際に壊れてみない事には誰もが無関心になってしまうといった現実もあります。
だからこそ日頃のチェックが必要になるわけで、それを怠ればいずれ大きな事故に見舞われる原因と共に毎日を過ごすという事になるのですね。
ちなみに画像1の重量ラックは昭和48年に設置したものらしく、以後の交換はありません。
長年の使用で画像には収まらないダメージが至る所で見れますが、管理者は『まだ倒れない』といった理由で使用を続行しています。
『まだ倒れない』という言葉を裏返せば、『倒れたら交換する』という事です。
その『倒れた時』にどんな事が起きるかをきちんと考えれば、とてもそんな言葉は出てこない筈ですが、これが古くから日本の物流を支える大手企業の考え方と思うと悲しいですね。
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