職業経験談04 新聞配達その1 朝刊
おはようございます! すえです!
いきなり僕の過去の話となりますが、中学中盤以降の僕の家庭って一言に表現すると『崩壊状態』…というか、『崩壊後』と表現した方が正しい状態でした。
まあ、どんな風に崩壊していたかというと、
ほぼ完全な両親不在でしたね(笑)。いや、笑えませんけど。
ここでのお話は仕事の経験に関するものですから深くは伝えませんが、高校時代の僕は家に帰ってこない母親・父親の代わりに妹2人の面倒を見つつ、学費をアルバイトで捻出しながら高校(定時制)へと通っていたんですね。
という事で、この新聞配達というアルバイトは以前に書いた話である
と並行して行っていた仕事なんですね。
ここに妹の食事準備や高校への行き来が加わったわけで、今考えるとどこで眠っていたのかが不思議という話でもありますが、これが当時の大人たちが表現した
『若いな…』
という一言なのでしょうかね。
まあ、そんな裏話を引きずっての新聞配達員としての内容です。
入社のきっかけは先輩の誘い
もともと朝が苦手な性格で、新聞配達のような早朝の仕事に就くなんてことは想像すらしなかったのですが、学校の先輩から声が誘いの声が掛かったのが最大のきっかけでした。
なんでも、誰かの誘いによって仕事を紹介され、誘いによって入社した人物の勤務が2ヶ月以上続いた場合は報奨金が出るとか…。
もともとお金に強い執着心を持っていた先輩でしたので、まあ、そんなもんだろうと。
ちなみに求人募集が掛からないわりに人の入れ替えがなされている会社の一部には、こういった口コミ入社も存在します。
どのみち早起きなんて言葉は僕の辞書には無いようなものなので、面接時に
朝は起きられない。大の苦手。
と言えば、やんわり落とされるだろうと安心して面接に行ったんですね。つまりは邪険に出来ない先輩へのお付き合いの一環です。
でも、合格しちゃいました。なんで?
新聞配達とは?
想像に難くない新聞配達のイメージは、考えたままのものだと思います。
徒歩・バイク・自動車、手段を選ばずに新聞を契約先に投函するお仕事ですね。
昔から年齢制限の存在しない数少ない職種ではありますが、小学生などが新聞配達する姿はまだ見た事がありません。
もっとも、今現在の日本の安全性を考えれば、少年少女が新聞を配達する姿は連想するだけで怖いものですが…。
業務詳細
比較的高範囲をブロック分けし、それぞれの道順に沿って投函する業務が主です。
僕の配達所は社員が『通称休みたい病』が大流行中でしたので、希望を出せば2ブロック以上を受け持つことも可能でした。
なお、配達の基準は部数ではなく、時間です。
1ブロックを行って帰っての平均時間でブロックが検討されていましたので、
配達場所が近くても遠くても、行動範囲が広くても狭くても、配達部数が多くても少なくても、
大体が90分程度で帰ってこれる計算でしたね。
プロならではの算出ですが、よく考えられたものだと感心さえしましたよ。
担当/最終役職
配達員
通勤
片道1.2キロ。スクーターで5分程度。
労働時間
配達前準備時間約30分
実質的な配達時間90分
返ってきてダラダラ30分…
特殊業務
なし
その他の業務
なし
強いて言えば、偶然配達所に訪れた新聞購入客からお金を受け取るくらい。
ちなみに受け取ったお金は売上金にはならず、『ラッキーだなぁ~』とか店長に言われ、受け取ってもらえないため自分のポケット行き…。
配達が終わると昼過ぎの折り込み作業や夕刊までの時間が空くため、大体が麻雀大会。面子不足時には駆り出される事に。
基本待遇
温和な店長の温和なオーナーの指揮の元という事もあり、全体的に穏やか。
目立つ待遇はその業種ゆえに無いが、余った新聞ならどんな理由で幾ら使っても無料。
休暇は週1日と休刊日。ただ、有給休暇という言葉は聞いた事が無いが、一般的な常識範囲での欠勤(テスト予習や家の用事など)は減給無し。
良く言えば従業員を思うアットホームだが、悪く言えばズボラでドンブリ勘定。
基本給
朝刊1ブロック配達で一律60000円。
ブロック単位なので、受け持つブロックに応じて倍増する。
時給換算
だいたい1000円以上
賞与
無し
この職場のおまけ要素
朝刊配達として受け持った僕のエリアは初期が近場の駅周辺、それと後期の遠方の田舎方面でした。
初期の駅周辺担当時は近場という事もあり、午前6時から配達開始。
駅周辺には飲み屋が存在し、朝方まで営業している事も。
店の扉が開いている時には投函が出来ないので直接店主に手渡すのですが、そんな時は毎回栄養ドリンクや、開いたためにあとは廃棄となるお菓子等を貰いましたね。ありがたや…。
後期の田舎方面ではおじいさんたちがいつも元気でした。
元旦の配達時にはお年玉をもらうハプニングもあったりして、返って気まずい思いをしたのはいい思い出です。
それと、今やったら間違いなく御用でしょうが、真冬の配達終了時に予め多く持ってきた新聞を燃やして暖を取ったのもいい思い出ですね。
冬の早朝は空が深く暗く、透明性があって星が綺麗なんですよ。自動販売機でコーンスープを買い、凍えながら火を点けるのが毎回楽しみでした。
あくまで古き良き日本の面影があった時代の話ですので、今やったらダメですよ☆
頂いた称号…?
すえくん
…この1つのみ。
一勤務の流れ
アルバイトとしての流れです。
正社員の勤務形態は『職場の待遇』のページで紹介します。
一勤務の流れ詳細
通称『折り込み』と呼ばれるチラシを新聞に必要分だけ挟み、それをバイクに括り付けてからの配達開始。
しかし、多くは正社員が暇つぶしにやっていてくれたので、ほとんど折り込みを挟む作業は記憶にありません。
朝刊は順路帳を参考にして配り回ります。
全ての家に配り終えたら(順路帳の最後まで来たら)、そのまま帰社。
あとは自由ですのでその場で従業員と談話したり、さっさと家に帰ったり…。
僕の場合はストアー勤務が控えていましたので、初期の頃は次のアルバイト先にのほほんと出社していました。
この仕事ので知ったこと:良好なつながりのきっかけは『挨拶』
僕は常識とか基本とかの話を抜きにして挨拶は出来る限り行う考えを小学4年生の頃から持っています。
今では挨拶の重要性を知っているつもりであって、それが出来るか出来ないかだけでも人生を大きく変えるものだと考え、
実際にそういった『人間性としての差』というものも理解しているつもりです。
…が、それはまた別の機会にするとして、そういった性格なので僕はこの頃も配達対象の誰かに目を合わせる度に挨拶はしていたんですね。
もちろん、マンガやコンクールでもないので大袈裟な『おはようございますっ!!!』ではないのですが、まあ、
『おはようございます…。いい天気ですね(ボソボソ…)』
程度の、ちょっと恥ずかしい気持ちを打ち消す意味で別の短い会話も入れるんですね。
まあ、こちらは配達中の身であり、お客さんもその事を理解しているので、
『ああ、おはよう、そうだね』
くらいの返答なんですが、こういったやり取りというのは別の配達員に伝わる事が多いようで、営業所で何回も『挨拶しているんだって? ○○さんから聞いたよ!』なんて褒められました。
まあ、何を狙ったわけでもないのですが、些細な声の掛け合いが思わぬ知名度を作り上げたというか、人気となったというか…。
ちなみにこんなあいさつが気に入った数名のお客さんからは、長期の契約を結んでもらえたと当時の担当が喜んでいましたね。
こんなあいさつが役に立ったようで何よりですが、僕本人としては『???』というのが正直な話ですね。
この業種(業務)の長所
この営業所が特殊なんでしょうが、働き手にとっては長所ばかりの印象が強い印象しかありません。
給料面で言えば上を言えばキリがないのでしょうが、それでも金銭目が緩い印象が拭えなかったような…。
自分のやるべき事さえ終わらせれば後は自由というスタイルは多くの業種で見習ってほしいですね。
もちろん、他者を手伝う姿勢は当然の行為ですが、手伝うばかり、手伝われるばかりというのは今現在のあらゆる職場で見られる現象であり、
結果的に出来ない人間は学ばず、やらない人間は任せきりという光景が多すぎる気がするんですね。
この業種(業務)の短所
僕は周囲の助けがあって事も無く乗り越えられましたが、やはり朝が弱い人間が就くべき職種ではないでしょう。
大怪我の話は幸いにも聞いた事がありませんが、二輪のバイク系統が配達の軸を担うので、転倒をはじめとする事故の発生時には事が大きくなることも考えられます。
ちなみに僕は真冬の農道で数え切れないくらいコケてました…。土の道が轍をそのままに凍結するんですよね…。
この仕事で知ったこと
何度か触れましたが、僕の働いた営業所が大盤振る舞いな就業スタイルだったようで…。
当時高校生という事もあり、同じクラスには隣町で同じ系統の新聞配達をする同級生が居ましたが、彼の営業所では基本的に休刊日以外の休暇は認められておらず、欠勤に対してはキッチリ日当分を差し引かれ、その上で説教付きだとか…。
昼間に行う折り込み作成も当たり前のようにさせられ、その上で給料が僕とほぼ同じ金額でしたので、同じ会社でも営業所が異なるだけでこうも違うのだなと実感したものです。
今回のあとがき
新聞配達に関しては他に夕刊も配達した事がありますので、別ページにて紹介しますね。
当時はまだインターネットが普及しない時代背景もあり、ほとんどの家では新聞社との契約はほぼ必須でした。
そのためか新聞配達所のそれぞれの羽振りは非常に良く、僕の働いた営業所ではこんな信じられない実話が3つほど…。
1つめ
当時の同級生がもう少し稼ぎが欲しいと偶然ぼやき、一方の営業所の方でも誰か人がいたら紹介してくれと聞かされていたので、ちょうど良いと紹介しようとしたんです。
そしたら友人は新聞配達はしたいがその営業所は嫌だ。なんて言うもので、当然ながら『どうして?』と尋ねたんです。
そうしたら意外過ぎる回答…。
数年前、自分の兄貴がその営業所で働き、全員分の給料をクスねて逃亡した…。
とか…。うーん、行けないよなぁ…(汗)。
念のためと言うわけでもありませんが、一応、店長に確認してみたら、確かにあったと…。しかも、保管していた履歴書から友人の兄という事も判明し…。
まあ、無理だろうなぁ…、なんて思ったのも束の間、店長からこれまた意外な言葉。
『でも、本人じゃないんだろ? 兄弟とか血の繋がりとか、俺は気にしないぞ。…てか、給料の損失はそもそも俺の管理に問題があったから起きた事だ。そいつには関係ない。受け入れるぞ!』
1ブロックを6万とすると、当時は24ブロックあった気がしますので単純に144万円の損失…。正社員の給料管理は店長の奥さんが行っていたため無被害でしたが…。
…寛大とはこの事を言うんでしょうね…。
ですが、友人はやっぱり気まずかったらしく、結局新聞配達の面接には赴きませんでした。
2つめ
営業所のオーナーも寛大というか、抜けているというか…。
ある日、昼間に遊びに行ったら狭い所内を全正社員がウロウロしていたんです。
なんだか妙な雰囲気でしたので、どうしたのかと尋ねたら、
200万円の小切手をオーナーが紛失した
…とか。
まあ、大変な事故の発生ですね。
しかし、オーナー本人はテレビ鑑賞をしつつタバコをプカリ…。バラエティー番組という事もあって、笑い声さえこだまする…。本当に落としたの??
僕が顔を出して約20分後、オーナーは席を立ち、全員を集めてこう言ったんです。
『…まあ、落とした俺が悪いんだ、気にするな。拾った人は運がいいな。俺もそんな運が欲しいなぁ~』
とか…。
いや、それで済むならアナタの方が相当運がいい立場では??
今頃きっと、拾った人がドキドキしている筈だよ。『何かの罠か?』なんて思って…。
純粋な金持ちは発言内容が違う…。
ちなみにその場に居た全従業員に、
『200万には遠いけど、手間掛けて悪かったな…』
と、全員で分けるようにと5万円頂いきました。僕は確か捜索時間が短かったとかで少なかったのですが、それでも4千円もらった覚えが…(捜索時間20分未満)。
か…、金持ちは、違うなぁ…(汗)。
3つめ
同じクラスメイトでも『1つめ』とは別のクラスメイトのお話。
ちょっと風変わりというか、偏屈というか、そういった人ですが、そういった理由もあってアルバイト先でいざこざがあり、最終的には辞めてしまったとか。
その頃の僕は既にこの新聞配達を辞めてしまっていたのですが、常に人を募集している話は覚えていたので一応店長に紹介すると、即座に採用される結果に相成りました。
でも、やっぱり偏屈というか、常識知らずというか、そのクラスメイトはライバル社の出版するスポーツ新聞が好みとかで、隠れて購入するならまだしも、配達終了後には近所の配達所に猛ダッシュしてスポーツ新聞を購入し、営業所中央のテーブルに広げてスポーツ内容の結果に目を這わせる始末…。
始めは温和に見ない振りに徹した店長以下従業員だったようですが、クラスメイトの人付き合いの悪さもあってか、…やっぱり大炎上。
それでも数ヶ月は業務に就けていた事がある意味驚きでしたが、最終的には締め出される事に。
本人は『不当解雇だ!』なんて学校で騒いでいましたが、それで済んだ事がむしろ幸運と僕は思いましたね。
あなたがどこの会社で努めようと、その中でライバル社の何を好んでいようと自由ですが、自分自身を守るために秘密に徹する物事というものは確かにあるものですヨ。
オマケとはいえ、変な話が長引きましたね。
次のお勤めも頑張りましょう。
すえ
新聞配達の関連ページ
以下はでは新聞配達という業務のそれぞれの詳細をまとめてありますので、就職を考える場合には眺めてくださいね。
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