安全第一の【続き】は何?第二第三と続く言葉の意味を分かりやすく解説☆
『安全』という言葉は今ではどの分野にでも活用される言葉でありますね。
と、唐突に伝えても『?』となる方も中にはいるでしょう。
では『安全第一』という言葉ならどうでしょう?
『安全』という言葉は日常的に使用される言葉ですが、『安全第一』となると注意喚起の意味が含まれてきます。
そしてこの『安全第一』は職場のあらゆるところで見聞きする文言であり、特に働く社会人があらゆる場面で真っ先に重点を置くべき人知として意識付けられる言葉でもありますね。
中でも危険性が伴う業種では過剰なほどにこの『安全第一』が掲げられ、これに従わない人材は
左遷・降格・解雇
などの処置を施されるケースもあるようですが、これはまた別の話なので、気になる方はこちらへどうぞ。
>>安全第一は何故徹底する必要がある? 解説へ
こちらのページでは『安全第一』に続く『第二・第三』の言葉と、その意味についてを紹介していきますので、毎日の雑談のネタや、朝礼・昼礼・安全会議などの席にご利用ください。
なお、『安全第一』に続く言葉を先に伝えるとすれば、その答えは
- 『品質第二』
- 『生産第三』
となりますが、諸説があるようで、僕個人としては
- 『顧客第三』
といった教えを受けた事もありましたので、これらも含めて説明しますね。
『安全第一』のその続きは?
日本では特に『安全第一』が重視され、正直言って第二第三の言葉はあまり聞き慣れない印象です。
僕自身も多数の職場でお世話になりましたが、安全第一を声高に叫ぶ上司は多数存在しましたが、第二第三は公言するどころか、その言葉自体も知らない上司・事業所が大半でした。
そのくらいに日本国内では安全ばかりが重視されるわけですが、それにも個人的に辿り着いた答えらしきものがありましたので、これについては後にお知らせします。
まず、基本とされる『安全第一』から追って説明しますね。
安全第一とは?
安全第一とは言葉通り、安全が何よりも優先されるというスローガンの1つです。
作業効率性のあらゆる損失を理解しようとも、まずは身の安全を最優先しよう…というよりも、『しろ!』といった命令形にも受け取れますね。
現在の日本がもっとも重視する作業場の約束事が『安全』であり、世界先進国のあらゆる事業所でも同じく最優先されるのが『安全』なのです。
極端な言い方をすれば、身を挺すれば億単位の商品損失を無傷で抑える可能性が高めでもあっても、危険性の可能性があるのであれば、確実な安全を優先し、億単位を損失させろという事ですね。
安全第一の『第一』とは、何よりも1番先に優先する事項を明記した言葉でもあるため、危険性に対する高い・低いではなく、何よりも安全な選択を取れという命令なのです。
品質第二とは?
対価を支払う顧客が期待する内容は『満足度』に尽きると思います。
ある言い方をすれば安かろう悪かろうもアリといえばアリですが、日常の生活の中で不便なく過ごす為には何と言っても高品質な品ほど不満の意識は低減しますね。
そういった意味で現在の日本では何よりも品質を重視する傾向にありますが、品質を第一にすると安全性が必然的に損なわれてしまいます。
日本の過去の良くも悪い癖として品質という分野が特化しているため、それを誇示する意味でプライド的な要素も絡む部分でしょうが、品質を求めた結果、他国からキチガイ企業と揶揄されるほどに抱える従業員に対して安全を無視した過去の一面があるのですね。
そんなキチガイ企業とは、今現在で表現されるブラック企業といった分野の事です。
また、無事故の毎日が抱える人材を安全な毎日に繋げ、結果、安定した品質を保証できる側面もあるため、今現在の日本企業の多くは『安全第一』に関心を向けているという話です。
更には日頃の安全性を重視していれば、全従業員の身の安全が確保できるため、問題が発生した品質に対してもいつもの現場慣れした従業員が一致団結して問題の解消に当たれるといったメリットもあるのです。
生産第三とは?
どれだけ供給が追い付いていなくとも、無暗に急ぐな。
という事ですね。
焦りは単純に品質を損ね、安全性を損ねます。
言い換えれば、遅れた生産数の巻き返しを図るほどに不具合が生じ、事故を招きます。
1時間の生産時間の中で1時間分の生産予定はあくまで予定であり確定ではありません。
精算予定数という内容は人間が勝手に算出した数値に過ぎず、リアルな時間経過内の全てにおいて予定通りに事が運ぶ事は、むしろ稀な出来事として捉えるべきでしょう。
なので、たまにトラブルに見舞われようと、安全を最優先する事こそが、その後の修復も容易になり、いずれ生産数も追いつくといった話なのです。
多少の遅れを取り戻すために労働災害が発生するなどをし、事業所全体が営業停止などの処置を受けるよりは遥かに賢い考え方が『生産第三』なのです。
(例外)顧客第三とは?
例外的ではありますが、僕が教えられた言葉に『顧客第三』という言葉があります。
これは単純に言って『顧客のいう事を聞き過ぎるな』という事ですね。
最近の日本では『顧客のニーズに応える』といったフレーズが耳慣れてきましたが、これが原因で多種多様どころか同じ製品でも様々なサイズを目にする時代になりましたね。
バリエーション豊かなラインナップは買い手にとっては嬉しい事ですが、生産者側からするとどうでしょう?
似たり寄ったりの商品を小刻みに生産する事になり、中には数十グラム違いの同商品が生産プログラム内に乱立する事になり、混乱を招きます。
また、資材もサイズに合わせて増える事を意味しますが、購入するユーザーはあくまで一定です。
100人のユーザーが1種しかないA商品を買い求めれば、1種しか存在しないA商品を100人が購入するわけですが、サイズ違いが10種あったとすれば、100人のユーザーは平均して10種のA商品をそれぞれ10人が購入するといった構図が予想できます。
ただし、現実はそう上手くいかないもので、人気の概念があるため、10種のA商品がバランス良く売れるという事はありません。
しかし、生産メーカーとしてはどのタイミングでどのサイズがどう売れるか把握しきれない部分があるため、結局は10種のA商品を100個ずつ作り上げる必要性に迫られるのですね。
これが、顧客のニーズに応え過ぎた結果です。
実際、ニーズに応えること自体は大した問題ではないでしょう。
ただし、この話で言えば生産側からすれば、これまで1種の生産だったところを10種に増やされ、その上で限界数のそれぞれ100個単位で生産を強いられる事になるため、この労力は自然と安全にも品質にも生産にも悪く影響して不思議はないといった話ですね。
『安全第一』~のスローガンはアメリカから
今でこそ日本で当たり前のように伝えられている『安全第一・品質第二・生産第三』ですが、このスローガンそのものはアメリカで誕生した言葉でした。
そして誕生当時は現代の並び順ではなく、
- 生産第一
- 品質第二
- 安全第三
といった並びだったのですね。
1900年代のアメリカは不況に見舞われていた時代でもあったため、人の命よりも生産性が何よりも重視された時代だったという背景があった結果ですが、当然、勤務の中の犠牲者が非常に多いという残念な結果も記録されています。
そして個人的に注視してもらいたいのは、上記のスローガンの並び…。
この並び、今現在の日本の考え方に似ていませんか?
もちろん、時代背景も大きく変化していますので、過去のアメリカ不況の犠牲者ほどではありませんが、『売り上げ重視』の日本に強く根付く並びが上記の過去のアメリカのスローガンと個人的には思えてならないのですね。
ただ、ここ数十年で一気に国外の考え方が流入した日本国内でも安全の考え方が著しく変化し、少なくとも『安全第一』はどの業界でも根付いた今現在があるため、もう少し時間は掛かりそうですが、それでも従業員にとって適切な配慮がされる時代は訪れる事でしょう。
どうして日本では品質第二・生産第三が用いられない?
日本固有の強みとして製品の高品質が世界的に有名であり、高い評価を得ている部分が品質第二・生産第三というスローガンを霞めてしまっているように個人的には思います。
これは品質や生産量を無視した考えではなく、もともと高い評価を受けている2つのスローガンであるため、あまり意識的にならなくとも高い技術が評価され続けているといった勘違いによる安心感が勝っているのではないかと。
しかし時代は常に変わるもので、過去の高度成長期の時代を終え、ついではバブル時代も終焉を迎え、今や低コストでいかに高品質を維持するかを考えなければいけない時代ではありますが、もともとの世界評価を気にするあまり、出た結果がコスト削減のための不適切人材の投入や、規格に見合わない安価な資材の投入による社会問題です。
これは一見すれば手抜き作業ですが、その先には人命を脅かす大きな事故の素にもなるのですね。
事実、ここ数年のニュースを眺めても、大手企業の不祥事発覚が後を絶たず、結果的には一部の従業員の安全どころか企業全体の近未来へ悪い影響をどんどん作り上げているといった事態に陥っていますね。
言ってみれば、これまでの日本企業は安全にこそ無頓着でしたが、強く意識しなくとも品質と生産能力は長けていたもので、スローガンの第二・第三に意識を向ける事無くこれまでを過ごしてしまったと表現した方がしっくりしてしまうかも知れません。
ただ、物事には順序があると言われる通り、例えば安全を最優先するためには安全を最優先にするための犠牲が必要となります。
これを『仕事』という場に置き換えた場合、品質と生産の犠牲が伴うといった話なのですね。
言い換えれば日本もまた、古くから人の命よりも生産性や品質にこだわってきたという話にも例えられるのです。
という事で、本質的な『安全第一』を考えるためには、必然的に『品質第二』『生産第三』の意味から理解しないと、とてもではないけど『安全』にはたどり着けない事実があるように思えます。
そんな理想の安全に近づくためには、皮肉ではありますが、
- 売り上げ本意
- 徹底した顧客サービス
- 効率化
などなどを少しばかり緩和し、まずは安全第一・品質第二・生産第三を順序良く理解し、なぜそれが安全に繋がるのかを考えた後に、緩和した上記の内容を詰めて言った方が近道と個人的には思います。
安全第一の【続き】は何?第二第三と続く言葉の意味と歴史を分かりやすく解説☆ まとめ
という事で『安全第一』に続く『品質第二』『生産第三』についての簡単な説明でした。
かつてアメリカで生まれたこのスローガンも当初は順序が反転しており、人命よりも生産の方が優先された時代があったという話ですが、そんな状況の中では当然ながら勤務中の犠牲者は後を絶たなかったという話です。
しかし、どれだけ生産数を求めても生産する側となる人の手が減れば、これも当然ながら生産数どころか品質にも支障が生じますね。
結局は働き手である人間の安全を最優先しなければ、その後の結果となる品質や生産性は生まれてこないという事実にアメリカは一足早くに気付けた結果、安全優先の良さを世界に発信でき、同じ問題に悩んでいた世界が頷いたという話です。
そんな一方で日本はどうでしょうか?
あなたの働く会社では安全が最優先されていますか?
何かのタイミングで意識してみると、どこまであなたの会社が安全に対して真面目に考えているかが窺えますよ。
そして是非、安全と離れた現状に気付いた時には改善提案のネタにするなどをして安全活動に身を乗り出してみてください。
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