肉体労働における安全対策の天敵1『慣れ』
多くの企業が実践する安全対策の中の問題点を書き表しています。
どれだけ労働災害防止に前向きな企業であっても、肝心の労働者の安全意識が低下していれば、避けるべき危険に向かってしまうという状況は珍しくないと言った状況です。
特に今の日本企業は利益重視の意識が強く、安全を声高に叫ぶ一方で安全無視の業務が一般化しているケースも少なくありません。
言ってみればいつか事故が発生すると誰もが認識しているが、利益の為には運を味方にしなければいけない状況とも表現できます。
という事で、ここでは肉体労働における安全対策の天敵1『慣れ』について話を進めます。
『慣れ』によってどういった危険性が発生するのか。
その『慣れの防止』はどのようにして行えばよいのか?
そんな事を簡単に紹介したいと思います。
肉体労働における安全対策の天敵1『慣れ』
職場上の慣れとはそもそもどんな様子を指すものか?
まずはそこから説明します。
安全対策 職場上の慣れ
職場上の慣れとは、安全対策の天敵の一つとして考えられることがありますね。
慣れとは、ある状況や環境に長く接することで、その危険性やリスクを感じにくくなる現象を指します。
最初は新鮮で注意深く対応していたことも、時間の経過とともに日常化し、気が緩んでしまうことがあります。
それにより、本来であれば注意が必要な状況やリスクを見落としてしまう可能性が高まります。
例えば作業場での重機の操作や化学物質の取り扱い、交通の運転など、危険が伴う環境で長時間作業を続けると、徐々に慣れてしまい、注意が散漫になることがあります。
また、情報セキュリティの分野でも、社内のネットワークやシステムに長い間接続していると、セキュリティに対する警戒心が薄れ、慣れてしまうことがあります。
このように、慣れは人間の心理的な特性に起因しており、安全対策を妨げる要因となることがあります。
…という事で、慣れとは具体例にする事が難しい『日常的な当たり前』を指すわけですが、毎日の行動を当たり前と感じた時点で『慣れ』が発生していると表現して間違いないでしょう。
だからこそ、慣れによって誰もがリスクを背負うという言葉に繋がるのかも知れませんね。
では、その慣れの克服を行うにはどういった行動が望ましいのでしょうか?
安全対策 職場上の慣れの克服法
慣れを克服するためには、定期的なリフレッシュやトレーニングを行い、注意を持続することが重要です。
最低限でも定期的な教育・訓練を通じて、リスクや危険性を再確認し、正しい行動を維持することが求められます。
また、他者の視点を取り入れることも有効でしょう。
例えば、チームメンバーや上司、第三者の視点を取り入れて、状況を客観的に評価することで、慣れによる注意の緩みを防ぐことができます。
時代的に言えば、厳しく指導というよりは、笑顔の中の指摘が良さそうですね。
総じて言えるのは、慣れは安全対策の天敵でありますが、適切な管理や継続的なトレーニングを通じて、慣れを乗り越えることができるということがポイントかも知れません。
いずれにせよ、常に注意を怠らず、安全を最優先にする姿勢を持ち続けること最大の安全対策となる事は言うまでもありませんね。
肉体労働における安全対策の天敵1『慣れ』まとめ
という事で、慣れを克服するには自分自身では正直気付き難い場合が多く、当たり前の日常の中で培ってしまった『慣れ』から労働災害が発生する事が珍しくありません。
だからこそ、互いの安全意識を高め、互いの安全を確保するために、
- 定期的に自分を見直すリフレッシュ
- 多人数参加型の安全対策の確認と見直し
- 現場での実際の安全対策確認
…などなどが必要となりますね。
知っている内容を繰り返し聞かされるのはある種の苦痛かも知れませんが、その苦痛の度合いに比例して『慣れ』が生じている事も確かです。
常に初心の気持ちで安全意識を持つ事が望ましいですね。
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