ブラック企業、あるあるリストより『自己査定は、とにかく平均値』内容
少し前までの日本企業は上司判断による審査結果、その後の給与や賞与に変化が発生していました。
もちろん、中小企業などの最高役職が近くに存在する場合はトップダウンの法則に則って評価が直接的に左右されましたが、大企業になるほどに下層部の情報が把握しにくく、その結果、各事業所の責任者の評価を鵜呑みにするケースが目立っていますね。
近年では外資系かじりの企業も多く、有能な海外企業の真似事を導入した結果、その機能を上手く扱い切れていない企業も目立っていると感じます。
特に日本人は物欲はあるものの、金欲に控え目主義というか、いい子ちゃん揃いというか、どうにも正直に『もっとお金をくれ!』と大声を発する事が苦手な人種のようで…。
今回はそんな評価に関するブラックなお話です。
ブラック企業、あるあるリストより『自己査定は、とにかく平均値』内容
大企業と聞くと、各従業員の働きが評価される期間やタイミングが存在します。
その評価が実際に目で確認できるタイミングの代表はと言えば、国内ではポピュラーな『夏期冬期の各賞与』と『年に一回の昇給』ではないでしょうか?
昔の日本企業という観点では日々の働きを上司が確認し、それに合わせた判断を下すものでしたが、今どきは企業規模が大きいほどに
自己評価方式
なるものが採点の基準になる傾向にあります。
自己評価とは?
自己評価とは、自分自身でこれまでの働きを評価する採点方法です。
実はこれで全ての説明は終了しますが、人によってはチンプンカンプンな場合もあるかもなので、代表的な自己評価の流れを説明します。
自己評価の流れ1:目標を決める
自分を評価するには基準が必要とされます。
その基準はザックリ言って目標の事です。
一例として、
- 次の審査までにこうしたい。
- こんな意識を持ち続けたい。
- こんな改善を心掛けたい。
こんな内容を書類またはデータに表現し、上司に提出するのです。
提出された上司はその文面に目を通し、あなたの行動目標を確認したと同時に次回審査期間に掛けてあなた自身の行動を確認し、どこまであなたが自分の目標に向けて実践を施し、同時に達成に向けて邁進しているかを確認するというわけですね。
自己評価の流れ2:目標に対する自己評価
時は流れ、一定期間を経るうちに上司は更なる上司へ通達する為に、あなたの記した行動目標と実際にあなたが起こしていた日頃の勤務内容を判断し、その成績を決定付けますが、その直前にあなた自身が感じた目標の採点を決定させます。
自己評価の流れ3:自己評価の記入と再提出
以前提出した目標書面が再度自分に返されます。
この時、従業員を前向きに考える会社ほど、期間中に上司が実際に感じた内心が追記されている場合がありますが、これはいったん参考程度に留めて無視しましょう。
自己評価は自分の思うままに記入します。
と、言えば簡単ですが、ここが日本人の苦手とする分野ですね。
しかし記入しない事には面談も受けられないため、素直な自己採点を記入し、再提出しましょう。
自己評価の流れ4:フィードバック(個人面接)を受ける
完成した提出書を元にフィードバック(FB)が行われます。
多くの企業の多くの場合、フィードバックは目上の上司を相手に1対1で行われ、ここで自分が提出した今期行動目標と監査期間の内容を照らし合わせ、上司が素直に感じた感想とその評価を貰い、実際に付与される成績に直結します。
成績の基準は企業や役職によって様々ですが、早話が
『役職に見合った目標と、その目標に対する期間内の行動。そこから感じた実際の感想と評価』
と言った内容を言葉として受けるわけですね。
………で、ここまでが前振りです。
ブラック企業、あるあるリストより『とにかく平均値』内容(本題)
ブラック企業が行う採点方法にはとにかく意味がありません。
例えばどれだけ自らの評価を高くしても、5段階評価であれば『3』に落ち着く事でしょう。
反対にどれだけ低く評価しても5段階評価であれば『3』に持ち上げられます。
どうしてこんなヘンテコな評価に繋がるかと言えば、それには細かな説明が必要となりますので別の機会に解説しますが、単純には
- とにかく当り障りのない平均値に持ち込みたがる日本人としての習性
- 真似事をどこか嫌煙する日本人としての感性
…が、うまく利用され、その上で
- 利益最重要視の企業方針
- 不平等を促進する法律が絡む平等主義
- 履き違えた実力主義
…等々をミックスすると、全てにおいて可もなく不可もない中間地点が着地点として示されるわけですね。
したがって、いち従業員は死に物狂いで働き続けた結果、自己採点を『5』としても、上司は当たり前のように『3』とするでしょうし、度を越えた手抜き作業を続けた事を自覚して自己評価を『1』としても、結局のところは『3』に落ち着くのがブラック企業の特徴です。
補足:給料泥棒
企業には少なからず給料泥棒と表現される従業員が存在するものですが、あなたの身の回りにもいませんか?
仕事せずにダラダラおしゃべりばかり。
近頃は『テイカー』とも表現される場合がありますね。
それでいて給料は自分と同じ…。
………………後ろ指を指される彼らですが、それって実は『勝ち組』と僕は思いますよ。
ブラック企業、あるあるリストより『とにかく平均値』内容まとめ
自己採点方式は近年で日本企業に目立ってきた採点方式ですが、これって控え目主義な日本人にとってこの上なく不都合な採点方法であって、どんな低評価でも声を大にして否定できない国民性を上手く掴めた低賃金労働方式とも言えますね。
また、『フィードバック』の意味合いを知らないままに採用している企業も実に多く、例えばフィードバック用紙に上司の考えが記入されているものの、肝心の本人がそれに目を通す事なく印鑑だけ押して終了するケースもあります。
…いや、トラブル回避の為に上司がわざわざ捺印をせかす場面もありますね。
とある事業所の従業員は80人。
そのフィードバックが15分で終了する現場とは如何なものでしょう?
僕の個人的な感覚ではありますが、普通に企業を考え、普通に業績を考え、普通に人間関係を考え…と、ごく当たり前に業務内容に意識を向けていれば、成績うんぬん抜きにしても面談に要する時間は最低でも30分以上は必要になるでしょう。
これが『ハンコぽん』で済まされるフィードバックは………。
確実にブラックと表現できますが………。
う~ん、人との付き合いが苦手な人物にしてみれば、最高のホワイトなのでしょうかね??
上位採点は貰えなくとも、平均採点は貰えるのですから。
ブラック企業、あるあるリストより『とにかく平均値』対抗措置
少なからず、昇給や毎回のボーナスの上昇を狙う人物の多くは口ばかりでなく行動が伴っています。
例えば企業方針とは方向性に違いがあるにしても、与えられた職務を全うしようとする姿が見て取れます。
そんな彼らの多くも落ち着く先は『平均値』に留まり、結果的に与えられた業務のみを淡々とこなす人材と変化のない採点を付けられる事になります。
これこそがまさに日本企業の不平等となる最大の原因であり、ただでさえ不景気の就職間口縮小の上の無職者増加の原因でもあると思います。
懸命に働いても、そうでない人材と同一線上。
仮に一歩リードした評価を得ても、金額に直せば雀の涙程度のプラス支給。
こうした企業に対して真面目に向き合おうとしながらも結果を得られない人材はあまりにも多い印象ですが、それって自分に視線を合わせるべきである上司にも責任がありますが、納得がいかないと不満を持つ従業員自身にも責任があります。
では、自分の評価を高める一番の近道となる一例を紹介しますね。
上述しましたが、ブラック企業ほど横一線の平均値の評価を良しとします。
給料面で凹凸を付けなければ、それが平等という日本ならではの妙な考えが根強いからです。
ところが自己採点方式は周囲の先進国が得意とする採点方法であり、この方式を採り入れて長い企業は『部下vs上司』みたいな感じでバチバチに言い合うんですね。
ただ、『本来』ではあっても、このやり方は今現在の日本企業ではただの水掛け論になってしまう事でしょう。
自己採点方式を採り入れた段階の日本企業が他者の真似事をしているだけだからです。
なので、自己評価を高めたいのであれば、直接上司に答えを示してもらいましょう。
フィードバックの場面で思ったような評価を示されなかった場合、以下の5点を聞き出すのです。
- どうしてこの成績なのか?
- 自分としては懸命に頑張ったつもりだが?
- では、会社は自分に何を求めているのか?
- それをする事で評価は上向くのか?
- 上向いた評価は成績アップに直結するのか?
…と、言った具合です。
質問の度に上司は返答をしてくれるでしょう。
その返答内容を目の前でメモし、話を繋げます。
残念ながら今回の成績は決定付けられています。
なのでそこは勉強という事で流しましょう。
それでいて次回の目標に上司が口にした内容を頑張るよに記し、その新たな目標に向けて頑張るのみです。
上司の口から直接出てきた評価上昇の話は職場に存在するその場の悩みのようなものですので、これを解決して評価に変化なしという事はありませんね。
もちろん、目標に向けて頑張るのは大前提ですが、その目標に確実に近づいた次回フィードバック時に評価に変化が無かった場合には、過去に記したメモを参考に散々ゴネちゃいましょう。
間違いなく上司はあなたに一目を置きますよ。
これで逆切れされた場合は…、その職場で働く価値無し。
そんな話になりますね。
将来設計を持ち合わせの場合には、次を探し始めましょう。
人生、我慢する瞬間はそれだけで数え切れませんが、生活に直接響く我慢は文字通りブラック企業の得意技なのです。
しがみつく理由がありません。