ブラック企業、あるあるリストより『超・年功序列型』内容
あらゆる企業は創立者があって、そこに参加(就職)した人材があって、そんなこんなの時代の流れで今も事業を続けています。
創立者あっての会社誕生。
先輩あっての事業持続。
そして継続する事業だからこそ後輩が続々と就職志願者として出現する。
そんな入れ替わりですね。
かつての高度成長期には熟練者ほど能力が見込まれ、結論的に勤続年数が長い人材ほど昇進が優遇されていた時代があったと聞きます。
誰もが貧しい中で企業の成長こそが豊かな生活に繋がると信じられていた時代のため、多くの方が仕事に対して前向きな姿勢を取り、結果的に誰もが高い業務能力を有した結果、年功序列型となったのでしょう。
バブル成長期は幾らでも物が売れた時代のため、時代背景も手伝ってとにかく人海戦術がモノを言う時代でした。
売れる商材が存在しても売るための人材が忙殺されてしまい、次々と離職を決意する。
とあるコマーシャルでは『職業選択の自由』を謳った内容まで登場したくらいに忙殺が蔓延した事業背景があったという事ですね。
一方で当時の企業はとにかく利益があったので、時には能力度外視で勤続年数の長い人材を昇進させ、給料にモノを言わせて離職の判断を鈍らせる。
または次々と役職クラスが退職してしまうので、未熟者でも月日の長い人材から繰り上げ昇進させる。
これも年功序列と言えるでしょう。
良くも悪くも過去の年功序列とは、少なからず勤続年数に応じた業務の知識が備わっており、指揮能力は無くとも『教える』という事は出来たのが事実です。
では、今どきのブラック企業に滞在する年功序列とはどういった人材を指すのでしょうか?
ブラック企業、あるあるリストより『超・年功序列型』内容
初めに伝える内容があるとすれば、『超』が付くほど年功序列を重んじる企業内部では懸命に働くほど馬鹿を見るという事です。
なので、そんな企業内部で賢く働く場合には力を抜いた状態で勤務に励むのが賢い選択と言えるかも知れませんね。
年功序列型とは?
単に勤続が長いという理由で自動的に昇進するシステム。
乱暴な表現ですが、簡単にはそんな感じです。
幼稚園時代の教えを純粋に汲めば、家族の中で一番偉いのがお爺さん。
次にお婆さん。
次にお父さん。
次にお母さん。
次に長男・次男・三男………。
と、高齢者ほどエライとされるわけですね。
まあ、今現在は男尊女卑の問題で曖昧になりつつありますが。
他の言い回しをするならば、
先に入社した先輩ほど、自然と偉くなれる。
そんな感じですかね。
話を戻しましょう。
大企業と表現される組織ほど従業員数が増加するため、上層部が下層部従業員の全ての把握は困難になります。
そんな困難な人材振り分けを認識する簡単な方法の1つが勤続年数という数値化された企業貢献度ですね。
『長く勤務した人物=会社の方針をよく理解している人物』
と考えられ、実際の能力はどうあれ、とりあえずは上位役職に昇進させてみるという試みです。
以降、様子を眺めて問題なしとするならそのまま継続させ、問題ありと判断されれば降格させる。
そういった流れを行うのが年功序列ですが、具合が悪い部分は
『一度昇進させた人物を降格させにくい』
という心情が入り混じ悪部分ですかね。
誰でも一度得た特権を奪い取られる行為は好みませんし、奪う事も好みません。
常に生き抜きを賭ける企業でそのような考えは自殺行為ですが、良くも悪くも人を思えばこそ、なかなかに決断ができない事情とはあるものです。
超・年功序列型てどういうコト?
上述の年功序列は曲がりなりにも勤続年数を上層部が一考した参考例です。
と同時に、役に見合わないと判断した場合には降格こそさせないものの、それ以上の昇進にストップを掛ける事で企業内部からの被害を最小限に食い止める考えが見えるものです。
ここで述べる『超・年功序列型』はその歯止めが存在しないところが問題です。
企業本部と各事業所がほとんど切り離された状態であり、
- 本部=給料を払うところ。
- 各事業所=実労働するところ。
と言ったように、くっきりと線引きし過ぎた結果に起こり得る実態の1つと表現できます。
悪く言えば、『投げっ放し事業』とも言えるかもですね。
現場の事は現場で考えろ。
そんな態度の一方で、そのわりに現場の問題や考えを汲み上げる様子を見せず、現場は黙って本部のいう事を聞け。
という考え。
そんな本質を持つ企業に本当に多いです。
結果、以下のような事業所や販売店が出現します。
1:現場トップが孤立する現場
こうした年功序列による役職者の中には人を指導する能力に欠けた人材も存在しますが、そんな人材が事業所のトップとなれば上手に従業員を誘導できないため混乱が生じます。
ならば次の役職者が助言すれば良いのかとも考えられますが、こういった状況の中に限ってトップのいう事が絶対と認識されてしまう傾向が強く、助言=反感と取られてしまう事が多い部分が最大の問題だと思います。
結果的にトップの独り舞台となってしまい、うまく意思疎通がかみ合わない状況の中、怒鳴り声や叫び声が常習化するパワハラ現場と化すわけですね。
嫌気がさした従業員から抜け落ち、代わりの人材が投入され…を繰り返すうちに、教育の行き届かない新人ばかりの事業所が誕生します。
こうなるとトップだけが妙に頑張らざるを得ない職場に変貌しますね。
2:現場トップが姿を現さない現場
年功序列による昇進の問題点は、昇進対象者の心構えにも大きく依存し、中には
『昇進する=えらい』
『えらい=仕事しなくても良い』
と勘違いする昇進者が多数出現するのも年功序列型の典型的な悪いパターンです。
会社が対象者を昇進させるには何らかの功績とこれからの期待があるわけでして、決して給料ドロボーを良しとする話ではありません。
言うなれば上司は最低限でも業務範囲の内容を人の平均程度に知っている必要があり、然るべきに誉め、然る時に叱り、然るべき時に助言できる能力があって当然でしょう。
ただ、時間が自分を持ち上げてくれる年功序列型は黙っていても『えらく』なれるため、そうと知る人物は率先して学ぼうとしないんですね。
また、えらい立場に身を置いた人物が会社に姿を見せなくなるとはよく見聞きする話です。
いざという時の求心力がその場に存在しないため、その『いざ』を切り抜ける事が出来なくなり、事業所の信頼性が一気に倒れてしまうのも年功序列の悪いところと言えるでしょう。
3:現場トップが最弱の現場
繰り返しますが年功序列型とは勤続年数が長い人材ほど優遇を受け易い待遇です。
例えばですが、入社1か月目には複数の現場を行き来して多数の職務を全うできる人材と、1つの業務もまともにこなせない人材でも勤続年数が10年以上であれば、後者の方が有力視されるのが年功序列なんですね。
年功序列型の会社は経験や技能を考慮せずに勤続年数だけで判断されます。
なので、勤続年数数十年の『出社だけする人物』でも、ライバル不在であれば事業所トップになれる可能性があるんですね。
特に本社(オフィス)と現場がくっきり分かれる場合、大きな企業ほど現場を理解しておらず、その上で勤続年数=業務能力と捉えられ易い傾向にあります。
せめて昇進候補に勤続年数の近い従業員が複数存在すれば比較要素に繋がりますが、それが無い場合は相当に悪い噂が無い限り自動的に繰り上げ昇進に。
企業として前進するつもりがあるのかどうかと疑問さえ抱く考えですが、他力本願こそが正義という考えもブラック企業の特徴なんですね。
僕の知るところでは『社長と目が合った』という理由で工場長にされた方がいましたね。
自他認める『物覚えが悪く仕事が出来ない人材』でしたが、その事業所内では長老と呼ばれるほどの勤続年数を有していたため、トップとして優遇されたようです。
…………仲間の名前、顧客企業名、部署名、機材名、部品名のほとんどを表現できず、電話応対も初心者並み。
そんなトップなので事業所が大きく傾くのは短い時間でした。
未熟な彼が行動を起こす度にミスが重なり、色々と責任を押し付けられもしたようです。
そして耐えられなくなったのか、彼自身も間もなく退職してしまいました。
まあ、見る目の無い社長によるイチ犠牲者となった話ですね。
4:全てを受け入れてしまう極限現場
働く中の用語に『イエスマン』という表現があります。
イエスマンとはいかなる要望も否定せず、望まれるがままに請け負ってしまう人材ですが、僕はイエスマンを『奴隷愛好家』または『奴隷主義者』と表現したりします。
何でもかんでも請け負ってしまいますからね。
極端な例えを伝えるならば、
- 毎日の勤務で絶対にミスをするな
- 常人が30分でこなせる仕事を5分で終了させろ
- 高級レストランのスープを100円で再現しろ
………無理ですよね?
でも、こうした無理を請け負ってしまうのがイエスマンというわけです。
そして当然ながら無理難題で体に負担を強いる羽目になり、無理が祟って最後には倒れたりもするんですね。
ちなみに上の例はぼかしてこそいますが、わりと有名な実話なんですね。
…で、問題はここからでして、これまではあくまで1人のイエスマンの話です。
そんなイエスマンが人の上に立った場合は、その無理難題が関係する下流に直撃する事になります。
またも例として3つほど挙げてみますが、そんなイエスマンに支配される管轄ではこんな問題が発生します。
- 時間外無償労働
- 連帯責任問題と自腹補填
- 有給休暇などの特権無効化
無理を無理とはねのけない人材は上層部や顧客からすれば願ってもない存在でして、無理を無理と言わないばかりに『もっともっと!』が発生します。
そんな『もっともっと!』を何も考えずに簡単に受け入れ、それを自分ではなく管轄部署にまとめて落とす。
アホらしい話ですが、超・年功序列型ブラック企業内部では当たり前の話なんですね。
※ちなみにですが、イエスマンの全ては『断る能力を有しない人材』か、そもそも『仕事を考える事が出来ない人材』かのどちらかと見ています。
ブラック企業、あるあるリストより『超・年功序列型』内容まとめ
令和となった今現代は昭和や大正時代ではありません。
当たり前ですよね。
ですが、年功序列型の多くは歴史を有する大企業に多く、利益の本質を知らない人物が上層部に存在する企業ほど多い実態です。
今は日本も国際社会でして、それ以前に不景気のどん底状態。
そんな各企業を支える人材は年齢や経験ではなく、今を乗り越える知能や技術を有する人材の筈ですが、どうにも大きくなり過ぎた企業は古い体質から抜け出れないというか、古い体質の中にあるという状況に気付くことが出来ないようですね。
はっきり言って年功序列の中に若手有力者が入り込んでも、それは器用貧乏というカタチで使い捨てられますので、違和感を感じたら体を壊さないうちに身を引く事が明るい人生の近道となりそうですね。
ブラック企業、あるあるリストより『超・年功序列型』対抗措置
超・年功序列型の対抗策はその特性を見極めれば幾つかあります。
この話は年功序列によって業務能力が劣る従業員が指揮を執っている場合を話していますので、部下である自分自身が業務中に違和感を覚えなければ、ひとまず問題は無いものと判断出来ます。
反対にあらゆる業務の中で違和感を覚える場合は上司と部下との間に意味不明な確執が生まれていますので、早い段階で対抗措置を考えた方が今後の身のためと言えるでしょう。
超・年功序列型 対抗措置その1
無能な人物でも役職や地位を気にする場合、年功序列の自然昇進であってもその地位を固持したがる傾向が強く、指揮能力が無いのに力押しによる統率に走ります。
近年頻繁に聞くパワーハラスメントの事ですが、こうした上司を目の当たりにし、例えば事ある毎に怒鳴る・わめく・物に当たるなんて相手に嫌々従うのであれば、サッサとその会社から身を引いた方が未来の為です。
『嫌々従う』とは、反論・反感の意を押し殺して我慢するという行為です。
当然ながら能力ではなく年功序列による昇進を果たした上司との心の距離は離れる一方でしょう。
毎日近くにそんな上司が存在するだけで陰鬱な毎日を送る羽目になり、やがては自分の性格をも歪められてしまいます。
そうならないために、自我を維持できる間に離職するという方法ですね。
超・年功序列型 対抗措置その2
身を置く企業に幾つかの事業所があるのであれば、自らが転勤を申し出るのも対処の1つです。
問題のある従業員は名前が企業のあちこちで一人歩きしていますので、転勤したい理由と企業が抱える問題が合致すれば、さほど問題なく受け入れられる事でしょう。
ただし、事業所単位ではなく企業そのものがブラックだった場合には転勤を受け入れられても過度な安心は禁物です。
なにせ年功序列が企業方針の場合はどこの現場に顔を出しても同じような指揮者が存在しても不思議ではありませんからね。
また別の視点で考えると、残される人々の状況に変化はなく、転勤を申し出た人物だけが良い思いを見ると一方的に思われるケースもあり、ねじ曲がった考えではありますが『裏切り者』ともみられるケースがありますので、その辺は深く考えた方が良いでしょう。
超・年功序列型 対抗措置その3
間違った企業方針を間接的に正すという意味合いで、問題の上司を飛び越したその上に相談を持ち掛けるという方法です。
大きな企業ほど腰が重く鈍重ですが、何もしないよりはマシ程度に可能性はあるでしょう。