前田和摩は東農大をなぜ選んだ【3つの理由】中学はサッカー部だった!
箱根駅伝は個人的に『正月の華』といった位置付けですが、それに先立った駅伝大会に全国大学駅伝大会がありますね。
秩父宮賜杯 第55回全日本大学駅伝対校選手権大会という本戦を前に、14日に行われた
第100回箱根駅伝予選会ハーフマラソン
(ハーフマラソンは箱根駅伝本大会の42.195キロ距離の半分、21.0975キロの走破距離)
において、東京農業大学の新人ランナーという立場の前田和摩さんが日本人トップでゴールするといった快挙を成し遂げましたね!
この影響もあって東京農業大学としては、実に10年振りとなる全日本大学駅伝の出場を決定付けました。
この前田和摩さん。全日本駅伝選考会でもU20日本歴代2位の走りを見せた、スーパールーキーという表現も出来る存在なのですが、なぜ前田和摩さんはここ近年のマラソン大会に強い大学ではなく、東京農業大学を選んだという部分が気になりましたので、少し調べてみました。
前田和摩は東農大をなぜ選んだの?
2人目です!
・前田和摩①(報徳学園・兵庫)
〜意気込み〜
「今の100%ぶつけてきます」
応援よろしくお願いします!#東京農大 #大根踊り#箱根復活 #未完成は美しい#No1やっぱ目指すはOnly1 pic.twitter.com/MLyic2guZO
— 東京農業大学陸上競技部男子長距離ブロック (@TUA_LD) October 4, 2023
中学時代の前田和摩さんは3000メートルベストが9分14秒という好成績を残し、県内の強豪となる報徳学園高等学校(兵庫県)に進学しました。
報徳学園高等学校を選んだ理由は前田和摩さんが自ら選んだというよりも、前田和摩さんの驚異的な記録に目を付けた報徳学園高等学校の平山政志監督より熱心に誘いを受けた事がきっかけとの事です。
中学時代の前田和摩さんはサッカー部所属にして陸上マラソンにも参加していたらしく、当然、陸上界からすれば『その場に紛れ込んだ無名の選手』といった存在ですね。
しかし、そんな条件の違いがある中で堂々たる走りを見せつける事で当時の現役陸上部から注目を浴びる結果となり、その声が報徳学園の平山政志監督の行動に至らしめる結果にも繋がったのでしょう。
ちなみに報徳学園と言えば陸上はもちろん、野球やラグビーなどスポーツ系で全国的に有名な高校でもありますね。
中学時代にサッカー部所属だった前田和摩の『足』
ところで中学時代の前田和摩さんはサッカー部所属でしたが、持久力の足はその時に培われていたのでしょう。
サッカーは試合中の動きを見ると行動の強弱が極端に見えてしまいますが、実際にプレイすると、接戦になるほど休む間が無くなっていくスポーツでもあるのですね。
前後半のそれぞれの時間、場合によっては運ばれるボールに向かってひたすら走り続けるスポーツでもあるのです。
サッカー部の前田和摩さんのポジションはセンターバック(CB)だったそうです。
センターバックと言えばゴール手前で相手の攻撃を食い止める役割ですが、所属チームレベルが相手と同水準からそれ以上になるほど活躍の場が生まれ、それが出来なければ敗因に直結するポジションでもあるため、『走り続ける』という意味で前田和摩さんは強い対戦チームに恵まれた事が伺えますね。
それ以前にサッカー部の他に陸上マラソンにも出場するくらいですから、前田和摩さんが本質的にスポーツ好きだったのでしょう。
本日の予選会の個人結果です。
応援ありがとうございました!!
本選へ向け更にレベルアップできるよう、精進して参りますので引き続き応援よろしくお願い致します!#東京農大 #大根踊り#箱根復活 #未完成は美しい#No1やっぱ目指すはOnly1 pic.twitter.com/IcBquOFzQ4
— 東京農業大学陸上競技部男子長距離ブロック (@TUA_LD) October 14, 2023
結局は前田和摩自身の『見る目』
報徳学園高にて陸上に1本化した前田和摩さんは、高校時代にも多くの好成績を残す事に成功するに至りますが、高校1年当時、既に東京農業大学陸上競技部コーチの上村和春さんから勧誘を受けていたようです。
高校1年当時という所が最大のポイントでもあるようで、以後、前田和摩選手は残りの高校生活の少なくない回数で上村和春コーチと接触した事でしょう。
これは推測でしかありませんが、大小の大会が開催される度に上村コーチも積極的に前田和摩選手にアプローチをしてきたのでしょうね。
年齢的に近い将来に不安を感じると仕事でもあった筈なので、数多い接触の中で前田和摩選手もやがて上村和春コーチに心を開いていった事でしょう。
言い換えれば、高校に在学する中で前田和摩選手にはランナー人生としての先のビジョンを伺い知る事が出来たと言って過言ではないでしょう。
結果、前田和摩選手が東京農業大学を選んだ理由として、監督やコーチの人柄の良さを挙げています 。
前田和摩選手は高校1年生の時から東京農業大学から声をかけてもらっていて、この大学だったら自分のやりたいことができる、自分の持っている力を引き出してくれるという思いがあったそうです 。
果たしてどれだけの回数で勧誘を受けたのかは分かりませんが、度重なる接触の中で前田和摩さん自身が最終的に『東京農業大学に進学したい!』または、『東京農業大学で頑張ってみたい!』と思うに至ったのでしょうね。
また、東京農業大学には高槻芳照選手や並木寧音選手といった強力な先輩がおり、『一緒に練習できる環境がある』ということも魅力だったと言います 。
そんなエピソードを知っていくと、前田和摩選手とはライバルが存在してこそ燃え上るタイプにも感じられますね。
客観的に眺めれば、前田和摩さんは自身のスポーツに対する気持ちに正直な全力を出した上での好記録であり、そんな姿に高校時代と今現在の大学時代の陸上監督やコーチから声が掛かったと言えますが、それとは別に、彼の中ではまだまだ成長できるという確信があったのでしょう。
その目標とする成長の中で最も重要なのが、自分をよく見てくれるパートナーとなってくるわけですが、インタビューの引用にもある通り、前田和摩さんは自身の力を引き上げてくれる相手として
『コーチの人柄の良さ』
と言ったように、人柄を重視していますね。
言い換えれば『のびのびとした環境』でマラソンをする事が望みだったようにも伺えます。
スポーツ界にはどうしても根強い根性論が存在し、もちろん、どれだけ東京農業大学陸上競技部コーチの上村和春さんの人柄が良くても、いざ練習や本番ともなれば違った厳しさも出てくる事でしょう。
ですが、自分の本気を引き出すには厳しい環境下よりものびのびとした環境下でこそ、自分の成長が促せると当時から前田選手は自身で理解していたのでしょうね。
そんな望みとなる相手が自分の前に出現し、その性格をきちんと見抜くことが出来た前田和摩さん。
そんな彼の見る目と判断力が、今現在に繋がっているとも考えられますね。
10年ぶりに本選出場となった東農大ですが、前田和摩さん…というよりも、チーム全体で思い出深い本選となるといいですね。
ところで文章の途中出てきた高槻芳照選手と並木寧音選手にも簡単に触れておきます。
@otohakun_inu
東京農業大学10年ぶり箱根駅伝復活!!大根踊りやっとできたよ《*≧∀≦》スーパールーキー前田和摩・高槻芳照・並木寧音など凄い速かった《*≧∀≦》
東京国際大学リチャードエティーリの転倒で惜しくも届かず僅か3秒差。でも最後まで頑張ったよ。#箱根駅伝予選会 pic.twitter.com/ICNUBmX0rm— ツインテール音楽『ちあき👧🏃💨♀️』 (@ck97ekiden24wni) October 14, 2023
高槻芳照選手
2023現在、東京農業大学(東農大)4年生。
出身校:学法石川高校(福島)
自己ベスト(2023.10)
- 5000m:13:53.02
- 10000m:28:11.99
- ハーフマラソン:1:02:19
並木寧音選手
2023現在、東京農業大学(東農大)4年生。
出身校:東京実業高校(東京)
自己ベスト(2023.10)
- 5000m:13:51.74
- 10000m:28:16.30
- ハーフマラソン:1:02:35
おまけ:前田和摩さんの野望
前田和摩選手を知るほどに、水面下の野望めいた部分が見え隠れする部分が出てきます。
1つは、『自分が東農大を強くしたい』という発言です。
この言葉はチーム全体への貢献と言った理由も当然あるのでしょうが、インタビュー内容を知るにあたり、前田和摩さんがもともと恩義に硬い人物像のようですので、自分に声を掛けてくれたコーチへの恩返し宣言にも感じられますね。
もう1つは、前田和摩さん自身の目標であるオリンピック出場という目標です。
この念願が叶えば前田和摩さん自身は当然、関係者への恩返しという意味ではこれ以上の分かり易い存在は無いでしょうね。
個人的にこういった想いは好感度大ですので、是非とも達成して欲しいと願ってしまいます。
いずれにしても、今後の活躍が期待される若きランナーだと思いますよ。
前田和摩は東農大をなぜ選んだ【3つの理由】中学はサッカー部だった!まとめ
前田和摩さんとは第100回箱根駅伝予選会で、日本人トップでゴールしました。
- 結果、東京農業大学を10年ぶりに本選出場に導きだした。
- 中学時代の前田和摩さんはサッカー部所属。常に走り続ける環境下が、高持久力に繋がった。
- 実力者ともなればスカウト数も多くなるが、その中の自分のマッチングを自身で見抜くことが出来た。
今現在の前田和摩さんは大学1年生という位置付けですので、今後の成長が更に気になる存在ですね。
文字通り、これからの活躍が気になる選手です。