画像から考える安全対策【路面の問題】 あなたは何を問題視する?
あらゆる企業では日常的に安全対策を施し、従業員に危険のない業務を提供する事が義務づけられていますね。
ただ、各現場の責任者も問題が上がらない事には安全対策を取りようがない事実という側面があり、その問題を提起するのは実際に現場で働く従業員こそが知っている問題でもあります。
しかし、問題を提起する筈の現場従業員は、その現場に慣れてしまっている事が悪く作用し、それが当たり前の環境と錯覚してしまうのですね。
この負のループによりなかなか改善が進まない問題は生じ、今もどこかでつまらない原因で事故が発生し続けているというのが1つの事実です。
という事で、僕が気まぐれに撮影した画像をもとに、どこにどんな危険性があるのかを考えていきましょう。
このページの流れは以下の通りです。
- 僕が用意した1枚以上の画像を眺めてもらいます。
- 撮影した画像の簡単な説明を施します。
- 僕が用意した画像から、僕自身が気になる問題点を少しだけ提起します。
- 問題点はあなたの作業環境によって見え方が変わってくるでしょう。あなたの環境に合わせた問題点を探してください。
- 可能であれば、安全対策の案に繋げてください。
- 目で見える決定的な問題点に執着する必要はありません。『もしも…』のHHKに役立てる事も出来ます。
- 画像を見て考えられる問題に不正解は無く、あくまで安全を確保するためには?という分野に役立ててください。
では、参りましょう。
今回は路面の問題です。
画像から考える安全対策【路面の問題】 実際の画像と説明
画像の説明(危険のヒント)
- とある工場の敷地内を走る道路の画像です。
- 毎日、トラックなどの車両が早朝から待機するため路面に轍が発生し易い現状があります。
- 荷下ろしを常にリーチフォークで行う結果、アスファルトが崩れやすく、穴だらけになります。
- 穴は短いスパンで修復されますが、部分的であり、結果的にもっと凹凸が増えます。
- 一気に補修しない理由は予算不足であり、また、まとまった工期を確保しないからです。
- 各施設との連絡通路の役割も果たす道路のため、歩行者も往来します。
- 歩行者も利用する道路ですが、車両と歩行者が接触しない工夫がされていない状況です。
- 輸送トラックは自由に空きスペースに停車し、フォークリフトはそこに向かって荷下ろしをします。
これらの条件で危険を考えてみましょう。
画像から考える安全対策【路面の問題】 僕が考える問題点
僕から3つ挙げてみますね。
危険ポイント1:振動が凄そう
凹凸がとにかく異常ですね。この上をトラックなどが通過するには問題はなさそうですが、フォークリフト系は振動が強く、運ぶ荷物が崩れそうです。崩れた積荷が歩行者に落下する危険性も考えられます。見た目も汚らしいですね。
1の対策:
- アスファルト補修を部分的にではなく、一面を一気に作り直す。
- アスファルト舗装ではなく、コンクリート舗装に代えてしまう。
危険ポイント2:補修ポイントが限定的すぎる
穴が開く度に補修するという事は、回数も相当なもの。ただし補修ポイントそのものは限定的すぎて補修費用よりも毎回の基本作業料の方が高くついていそう。それなのに見た通りの手抜きに近い補修内容。
2の対策:
- 追い駆け補修で毎回立ち入り禁止になるのであれば、作業効率の妨げになる。まとまった時間を作って一気に解消すべき。
- プロとは思えない補修結果が続くため、業者を変えてみる。
- 素人のこちらの補修案を鵜呑みに指せるのではなく、業者の補修案を参考にしてみる。
危険ポイント3:歩行者に対する歩行場所が明確ではない
一色単の路面であり、車両と歩行者の境界線が無い。車両の急発進、歩行者の飛び出しなどで重大な労働災害事故が発生する恐れあり。
3の対策
- 明確な停止線、安全通行帯・横断歩道などを設置する。
- 明確な作業位置を確定付ける。
画像から考える安全対策【路面の問題】 あなたは何を問題視する?(まとめ)
という事で僕自身は3つばかり画像から問題点を拾いましたが、まだまだ可能性という意味で問題点はたくさんあります。
- その可能性は安全管理不足の危険性に留まりません。
- 作業効率化につなげるにはどうすれば良いか?
- HHKはどこに潜んでいるのか?
- 効率性と安全性を同時に高めるにはどうすれば良いか?
そんな事をイメージしながら様々な危険性を考えてください。
路面について
アスファルトはコンクリートと異なり排水性を持ちますので、重量物がその上を行き来すると当然ながら歪みが生じます。
また、アスファルト舗装の道路自体が小石や砂利の寄せ集めであり、それをアスファルトによって接着されている状態を保っているだけですので、幾つかの小さな穴が出現すれば、それは拡大する一方なのです。
この事から、アスファルトに不向きなリーチフォークリフト操業してしまうと、たちまち路面に穴が出来上がる事に繋がります。
アスファルト舗装路面上でフォークリフトを使う場合は、タイヤの柔らかいカウンターが適していると言えます。
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