安全管理の考え方【水害発生時の問題】画像から見れる危険性は?
安全対策・危険予測・HHK・セーフティモーメント・朝礼ネタ・会議ネタ・ひとことスピーチなど、なんにでも活用できる会社ネタの1つです。
あらゆる企業では日常的に安全対策を施し、従業員に危険のない業務を提供する事が義務づけられていますね。
ただ、各現場の責任者も問題が上がらない事には安全対策を取りようがない事実という側面があり、その問題を提起するのは実際に現場で働く従業員こそが知っている問題でもあります。
しかし、問題を提起する筈の現場従業員は、その現場に慣れてしまっている事が悪く作用し、それが当たり前の環境と錯覚してしまうのですね。
この負のループによりなかなか改善が進まない問題は生じ、今もどこかでつまらない原因で事故が発生し続けているというのが1つの事実です。
という事で、僕が気まぐれに撮影した画像をもとに、どこにどんな危険性があるのかを考えていきましょう。
このページの流れは以下の通りです。
- 僕が用意した1枚以上の画像を眺めてもらいます。
- 撮影した画像の簡単な説明を施します。
- 僕が用意した画像から、僕自身が気になる問題点を少しだけ提起します。
- 問題点はあなたの作業環境によって見え方が変わってくるでしょう。あなたの環境に合わせた問題点を探してください。
- 可能であれば、安全対策の案に繋げてください。
- 目で見える決定的な問題点に執着する必要はありません。『もしも…』のHHKに役立てる事も出来ます。
- 画像を見て考えられる回答に不正解はありません。あくまで安全を確保するためには? という分野に役立ててください。
では、参りましょう。
今回は水害発生時の問題です。
画像から考える安全対策【水害発生時の問題】 実際の画像と説明
まずは実際の画像です。
画像1:作業スペースへの浸水
画像2:取りに行けなくなった搬送機
画像の説明(危険のヒント)
- 集中豪雨の中の作業光景です。
- 強烈なゲリラ豪雨により、数分で冠水状態となりました。
- 場内のあらゆる排水溝が逆流し、噴水状態にもなります。
- 水害対策がされていない時代の施設なので、こうした浸水が頻繁に起こります。
- 本格的な冠水時はひざまで数位が高まり、そんな中で通勤したり、作業をします。
- 場合によっては積み重なったパレットが一般道路に流れ出します。
- 当然、外に商材があれば、その商材も水に浸り、流されます。
これらの条件で危険を考えてみましょう。
画像から考える安全対策【水害発生時の問題】 僕が考える問題点
僕から3つ挙げてみますね。
危険ポイント1:近代的ではない作業現場
建築法は時代に合わせて変更されるが、変更前の施設は過去の建築法が適用される。
水はけを気にしない時代の建築法は電気や強度も過去のままなので、あらゆる部分に時代に合わない危険性が考えられる。
1の対策:
- 施設を近代化する。
- 別の作業現場を確保する。
危険ポイント2:作業場に浸水する危険性
浸水の規模にもよるが、運搬車両のスリップが避けられない。
作業現場内には様々な商材があるため、1つのスリップから始まる事故による被害が未知数である。
簡単に浸水する作業場がおかしい。
2の対策:
- 浸水しない工事を行う。
- 浸水箇所を一時的な立ち入り禁止区域にするなどをし、危険を遠ざける。
- 砂を撒くなど、スリップしにくい工夫をする。
危険ポイント3:バッテリー式フォークリフトに浸水している
画像2のフォークリフトは見た感じバッテリー車両のようで、感電が気になる。
地面の水位も高く、取りに行く側も足腰に水をまとい、感電の可能性が高まる。
いざという時に機械の力が活用できない。
3の対策
- 画像のような浸水の被害を受けない場所を駐停車位置にする。
- 危険性が考えられる雨を受けた時には電気車両を使用しないなどのルールを作る。
画像から考える安全対策【水害発生時の問題】 あなたは何を問題視する?(まとめ)
という事で僕自身は3つばかり画像から問題点を拾いましたが、まだまだ可能性という意味で問題点はたくさんあります。
- その可能性は安全管理不足の危険性に留まりません。
- 作業効率化につなげるにはどうすれば良いか?
- HHKはどこに潜んでいるのか?
- 効率性と安全性を同時に高めるにはどうすれば良いか?
そんな事をイメージしながら様々な危険性を考えてください。
水害発生時の危険性について
普段から何かと使用する水に関してはあまり深く考える機会がありませんが、量も増えれば立派に危険な存在となるのが水でもあります。
雪とは異なり『積もる』という事が起きにくい水の存在ですので油断しがちですが、数位が増すという事は、既に水の行き場がなくなった事を意味しているのですね。
なので、いったん目で見て水位が高まった次には、雨が降り続ける限り、その水位は増していくだけですので、水位や冠水といった言葉が出た時点で非常事態となるのです。
これを無視した結果に人命にかかわる事故が待っているという話ですね。
また、東日本大震災の影響で水圧の怖さが有名になりましたが正にその通りで、水の勢いは信じられないほどの重量物を簡単になぎ倒し、いともあっさりと押し流す力を有するのです。
商品の被害を恐れて大雨の中、慌てて作業する企業は少なくありませんが、それでつまらない犠牲を生む可能性を考えれば、僕はあまりお勧めしません。
少なくとも、数百万円の商品を守るために時給1000円足らずの従業員が行う作業とは思えないのですね。
予測不能とはいえ、1度の大雨に危険と安全を引き合いにするような安い考えではなく、従業員の命を最優先したついでに無被害で商品を守る工夫を施した方が、よほど合理的にして懸命と個人的には考えます。
今どきはそうした考えを実現する企業も増えましたがね。
関連記事
>>画像から考える危険予測20(このテーマのもくじに戻ります)