ブラック企業、あるあるリストより『株主様が全て過ぎ』内容
全ての企業は『倒産』の二文字からどこまでも逃げる運命にあります。
そんな永遠の倒産逃れを続ける企業の強力な資金源の1つに株主による投資がありますね。
確かに企業存続のためには必要な株主ですが、だからといって神様的な存在ではないと、個人的には考えます。
あくまで最終的な利益を持ち込むのは購入客であり、その利益の源を作り上げるのは企業そのもの。
株主とは企業という機体を浮上させるための活力剤という認識です。
投資に感謝はするが、顧客とはまた違う有難み。
あくまで僕個人の考え方ですが。
ブラック企業、あるあるリストより『株主様が全て過ぎ』内容
大手企業は必ずといっても良いほどに『株式会社』と付きます。
株式会社とは企業が株を発行し、その株を株主が買う事で企業の大小様々な権利を得るものですが、権利を与える代わりに会社が得る物が資金というわけですね。
企業はこの資金を資本に運営をする。
かいつまんで表現すれば、そんな感じでしょう。
株主様とは?
一概には言い切れませんが、今どきの企業の多くは『株主様あっての存続』というわけです。
ですが、視点を変えれば株主は資金を提供する側であると同時に、その見返りを目的とする存在でもあったりします。
株主によっては企業そのものに興味はないが、成長を見込んだその後の見返り目的で資金だけを提供するというケースもありますね。
極端な物言いをすれば、
『おたく(企業)の商品には興味もないし利用する事も無いが、世間的に人気があるようで見返りが貰えそうだから、発行された株式を買っておくわ』
なんて存在も少なくありません。
というわけで株主が企業の提供する商品の消費者になるかと言われれば、必ずしもそうなるとは言えません。
ですがこの話の中で限って言えば、商品とは異なる株式を購入される事で企業は運営資金を調達できるため、
『企業は株主様が存在するから傾き難いんだよ』
と思っていただければ良いでしょう。
株主様が全て過ぎってどういうコト?
特に大手と表現されるような企業には株主の存在が欠かせません。
ですがどれだけ運営資金を調達できても、実際に商品が売れなければ企業が存続できないのも事実ですね。
企業が最終的に必要とするものは企業努力であって、その努力を顧客に見込まれなければ客はつきません。
結果的に利益という名の恩恵を持ち込むのは個々のお客様であり、株主様の存在とは企業とお客様を近付ける事を容易にするための円滑材とも表現できるでしょう。
どれだけ優れた商品を持っていても、資金不足で宣伝できない事にはお客様に伝わりませんからね。
で、本題。
企業にとって株主様が重要な存在である事は伺い知れますが、株主様を神様と勘違いするとこんな教育が発生するので要注意。
ブラック企業の判断素材になるかもですね。
1:株主のための企業。一般客はおまけ要素
新人研修の場で一般客と株主との違いを教育する場合がありますが、こんな教えを受けた事がありました。
題材は『当社はどうして会社運営を続けられる?』
です。
回答は少々長いですが、こんな内容でした。
『会社は株主様に投資していただく事で存続が出来る。なので会社は株主様に利益の一部を返還する義務が生じ、そのために我々(従業員)は働くことができ、客は当社が提供する商品を購入する機会を得られる。だから我々は一般のお客様にではなく、株主様に感謝して働かなければならない』
…う~ん………?
って感じですよね?
企業視点の理屈では一理あるでしょうが、それを資金調達や株主に関連する部署ではなく、経営の末端に位置するアルバイトに意識付ける内容かと考えると疑問ですね。
あと、ついででも何でもいいから、一般客にも同等の感謝をしない経営は自分の首を絞める結果になると思うんですがね。
2:株主様の苦情は神の苦情?
株主とはいえ来店すれば一般客と扱いは変わりません。
会社はルールに則ったサービスを行うだけです。
ですが、チェーン店舗ともなると店舗ごとの『色』が出てしまうのも事実であり、特に人の手が加わる商品には店舗の色が出たり、従業員の色が出る事もしばしば。
僕もこれまでの人生に一度だけ株主様ご本人に直接苦情を受けた事がありますが、こんな感じです。
株主『あの、ちょっといいかな…』
すえ『はい?』
株主『ネギが少なくないか?』
すえ『…はい?』
株主『僕は株主なんだがね、他の店と比較してこの店はネギが少ないと毎回感じているんだよ』
すえ『そうですか。ご不満掛けました。確かに目勘定で準備していました。ただいま正規の量を準備させていただきます』
…と、とある飲食店での出来事でした。
自らを『株主』と言い切る人格から胡散臭い限りではありますが、確かに目勘定で準備した備え付けだったので『いつもの感覚』になってしまったんですね。
なので言葉通りに会社規定のルールに従い、計量器を準備して刻み葱を再提供させていただきました。
その量、重さにして2g。
僕が目勘定で持って行ったのは5g近くありましたので、株主様の言うとおりにしたらもっと減っちゃいましたね。
一応、完全に目減りした刻み葱を提供する際に株主様に伝えました。
すえ『大変失礼しました。添え付けの刻み葱の提供は会社ルールで2gとありましたが、先ほどのものを計量したら5g近くありました。ご指摘ありがとうございました』
…まあ、アレですね。
株主あっての企業存続は確かにですが、その株主様が全て感謝に値するかというと、そうではないという例えです。
ちなみに本件をクレームとして本部に通達されても困るので、先手打ちに上司には報告しておきました。
すえ「株主から『他の店よりネギ少ない』って言われました」
上司「ちゃんと謝罪して再提供しましたか?」
すえ「しました。…もっと減ったけど」
上司「え…?」
すえ「詳細は防犯カメラに収められていると思うので、気になるなら眺めてくださいな。ちゃんと計量器で計る姿も記録されていると思いますよ」
…そんな、とある早朝の出来事…。
あ、ちなみにファストフード店で働いた事がある方は理解できると思いますが、1人で長時間店を回す時、全てをルールに従ってたら会社は簡単に潰れると思われます。
それと各飲食店(及び消耗品等の製造工場)の名誉のために言っておきますが、多くの製品に重さによる基準値が設けられている場合、その誤差は一般的に±数グラムとなっています。
…が、多くの場合はマイナス重量を問題視しても、プラス重量は問題視しない傾向にあります。
理由は簡単。
定額を支払った客に基準よりも少ない量を渡せば怒られますが、多いぶんには問題なしと判断される場合が多いからですね。
ラッキーってやつです。
3:株主様待遇の教育
企業に投資する株主には一定の条件を満たした時に企業からの見返りが発生します。
レジ係の経験者ならば『株主優待券』というものを見た経験もある事でしょう。
株主優待券は株主にしか配布される事のない特別なチケットですので、そのチケットを持参して来店した人物の多くは株主となるわけですね。
(時折、株主が子供や親戚に譲渡する例もありますが)
そんな株主様が来店した場合、どう反応するのか?
というか、株主=神様という式が成り立つ会社ではどんな態度を示すのか?
答えは…
一般客『有難うございました。またのご来店をお待ちしております』
株主様『いつもお世話になっております。今後とも企業努力に努めてまいりますのでうんたらかんたら』
……………………っう~ん…。
聞いた事が無い。
けど、そんな対応もあるとかなんとか。
…あるかも知れませんが、…まあ、単純に恥ずかしいですよね。
…主に客と言う名の株主様が…。
4:社長代行株主様
企業発行の株式を手にした株主様は該当する企業に介入する権利を得ます。
もちろん、何から何までを手にするわけではなく、あくまで企業の考え方や景気についての意見申し立てをする権利を得ると表現すれば分かり易いでしょうか。
株の投資に興味が無くとも『株主総会』という言葉はどこかで聞いた事があると思います。
株主総会とは企業トップやそれに近い立場の人物が株主の参加者を自由形式で募り、決められた会場などで近況を報告し、企業方針の意見を交換する場と思ってもらえれば間違いないでしょう。
株主とはいえ実際に企業に従事していなければ、それは単に資金提供者兼一般客です。
企業が展開するサービスに対してどのような意見があろうとも、それは一般客のイチ意見として企業側には伝わります。
表現に苦しいところですが、よほど的確に的を射抜いた意見でない限り、一般人の声が企業上層部に届く事は稀な話でしょう。
ところが株主総会では企業トップやその近辺の人員が株主の前に姿を現すため、意見が通るかどうかは別の話としても、一個人の考えが直接伝わりやすいのですね。
これが株主に与えられる権利の1つでもあります。
ただ、株主の中にはその辺を勘違いしている方も存在しているらしく、直営店だろうがフランチャイズ店だろうがお構いなしに視察行動を取り、代表者気取りで進言してしまう困った存在も少なからず居ますね。
そのような行動は簡単に表現して営業妨害なわけですが、株主様=神様的な教えの企業では過度な迷惑行為に対しても警察沙汰にせず、なんだか穏便に済まそうと頭を下げる姿も…。
なんだかんだ言って、結局、お金が世界一強い存在なのですかね?
ブラック企業、あるあるリストより『株主様が全て過ぎ』内容まとめ
こうして書いていて笑ってしまったのですが、資金提供者である株主の存在は企業視点からすれば貴重な存在でしょう。
ですが、経営の全ては顧客あっての話でして、株主に対してのサービス理念ではない筈なんですよね。
企業は資金調達を試みる意味で株式を発行する。
投資家は企業の明るい未来性を信じて資金を提供する。
見事顧客の要望に応えられた企業は商品提供により利益化に成功し、株主へ見返りとして利益の一部を渡したり、企業が得意とする商品の格安または無料の権利を譲渡する。
企業は受けた恩を上乗せする形で返しているわけですから、株主様に対して感謝の念を忘れない事は当然としても、それをわざわざ営業内のルールに展開する必要はなく、一般客が混ざる営業中に特別扱いする必要はない筈です。
もし、僕がとある企業の株主で、一般の客に紛れて買い物をしている最中に株主優待券などの利用で株主とバレたとして、一般客と異なる感謝なんかされた日には恥ずかしくて仕方がないという話ですね。
株主とは自分が見極めた企業に資金という名の助力を与え、成長した暁にはその褒美として利益を得る事が狙いなので、それ以上の待遇を求めているわけではないからです。
株主に対して妙な感謝の念を考える暇があるのであれば、せっせと株主に貢献できるだけの技術開発や万遍ない接客サービスを心掛けてもらいたいものですね。
ブラック企業、あるあるリストより『株主様が全て過ぎ』対抗措置
様々な表現や意図を持つ企業方針にもよりますが、要するに売り上げや金銭に固執する企業ほど株主様を持ち上げる傾向にあるように感じます。
一方で商品開発や顧客へのサービスを念頭に置く企業の株主とは『縁の下の力持ち』といった位置付けでありますが、ドライな言い方をすれば、単純に資金提供者なのでそれ以上の介入は快く思えないでしょう。
なので企業の予算に携わる関係者でもない限り、株主様を特別視する理由はなく、逆に株主からしても一般客の目がある中で特別視されても困るというのが本音ではないかと。
会社理念が株主様優遇であれば、それに対して従業員が直接困る事は無さそうですが、それに付け加え一般客を度外視する経営方針であれば、僕みたいな考えの持ち主には気分的に適さない職業と言えるでしょう。
相当に人間関係が良い。
相当に職務がお気に入り。
相当に給料が良い。
など、企業方針以上に自分に対するメリットがあるならば問題なさそうですが、イチ従業員として意味不明に差別化を強いられると感じる企業であれば、転職の考えは範疇と言えるでしょう。