人の安全のみに集中して考えられる提案
おはようございます! すえです!
このカテゴリで紹介した先のHHK(ヒヤリハットキガカリ)は
- 自身で体験した危険
- 行動する中で感じた・思い付いた危険性
- もしもから始まる危険性
…と、発生してしまった、または発生し得る危険に関する内容に集中していますね。
そういった危険に関する提案がHHK提案と呼ばれていたりしますが、単に危険性を周知するだけでは意味がありません。
危険があるのであれば、その危険を可能な限り除去するのが会社の務めであり、同時に提案者自身の務めでもあるかと思います。
しかし、社内の立場や業務内容によっては安全会議に参加する機会も限られ、そもそもお偉いさんの捉える危険と自分が言いたい危険が食い違う事も十分考えられますよね。
そんな食い違いを極力無くすために存在するのが安全対策案というものです。
一枚の紙きれではありますが、ここに内容を書いて提出するだけでブレない説明が上層部に持ち上げられます。
危険度が高いと判断された内容ほど早急に対策が講じられるため、内容はどうあれ危険を確認したならばすぐに行動したいものですね。
何よりも自分の身を守る意味で。
毎日の業務で隣り合わせになる危険を伝える
危険の主な出どころは特定する事が出来ず、極端には全ての分野に潜んでいます。
つまりは誰もが安全を意識して考え付く危険を遠ざける意味でHHK案件を制作し、同時に安全対策案も制作できれば一連の危険に対して『考えた』と言い切れるでしょう。
この『考えた』まで漕ぎ着けるまでを、先の『HHK』に当てはめた書き方の参考を記してみます。
『HHK』よりHHK(ヒヤリ)
HHKの『ヒヤリ』の場合の書き方です。
ヒヤリとは実際に身を持って体感した事故の可能性を指すもので、例えば
- 足を滑らせた
- 階段を踏み損ねた
- すぐ隣に荷物が降って来た
といった内容が挙げられます。
簡単にはもう1つ進展があったり、立ち位置が少しずれていた場合などに事故に見舞われる可能性を秘める出来事ですね。
ヒヤリの安全対策案
では、ヒヤリに対しての安全対策案の書き方一例です。
事例:
『〇月△日、××から□□に徒歩で移動中、通路面の一部が凍っており足を滑らせた。
何とか態勢を立て直して難を逃れたが、地上数メートルの高さで手摺幅も広く、また片面にしか設置されていないため、人が簡単に落ちる事も考えられる。』
(考えられる)対策案:
- 手摺幅を狭める
- 手摺を通路両面に設置する
- 通路が凍らない工夫を考える
- 滑り防止の砂を撒く(但し、砂で滑る可能性あり)
- 該当の通路を使用しない
- 路面が凍る時期、または凍ったと判断した日は使用しない
など。
ヒヤリの部分は自分が体感するからこそ伝えられる実在する問題です。
そして自分が体感したという事は他人も体感する事が十分に考えられ、極端には会社関係者全員に降り掛かってもおかしくないヒヤリであり、その先の労働災害となる訳ですので、控え目な表現は使わず、最悪のケースを想定した意思表示をしましょう。
『HHK』よりHHK(ハット)
HHKの『ハット』の場合の書き方です。
ハットとは業務中、客観的に感じた危険性です。例えば
- 現場業務の従業員はヘルメットを着用するが、事務関係はヘルメット無しで現場入りしているため、急な災害発生時に身(頭部)を守れない。
- 何気なく運ぶ積み荷だが、急ブレーキを余儀なくされた場合、大量の積み荷が落下する事になる。…その先に人が居た場合は…?
- 行き交い慣れた通路交差点でフォークリフトがノーブレーキで走り回っているが、もし見学者が姿を現したら…?
といった内容が挙げられます。
想像の面から不意に危険を感じる事に集中しますが、僕個人としては最も重大事故の可能性を秘めているのがこれ(ハット)だと感じています。
日常の当たり前から来る油断が結果を招く事故でもありますので、発生時には簡単に対処出来る問題ではないでしょう。
しかし、日常だからこそ誰もが気付けず、同時に甘く見ている部分でもあるかと思います。
ハットの安全対策案
では、ハットに対しての安全対策案の書き方一例です。
事例:
『〇月△日××エリアで作業中、社内見学の一団を目にしたが、ヘルメットを被っている者が誰もおらず、また、誘導担当は説明に夢中になっており左右確認をしていなかった。近くでは運搬車両が複数往復しており、見学者の中には運搬車両の接近に気付かない様子の人物も伺えた』
(考えられる)対策案:
- 社内見学がある場合は全部門に予め通達し、見学者の通過予定時間を設定するなどをして該当時間内の作業に注意を促す
- 見学している時間内は一切の作業を停止する
- 見学誘導員と安全係員を分け、団体の近くで注意を促せるようにする
- 操業時に見学させない
- アナウンスや音楽・チャイムなどで『見学中』を耳で分かるようにする
など。
ハットの部分は客観的に見て分かったり、日常の業務中に不意に思い浮かぶ事が多い内容です。
簡単に例えるなら『もしも』という表現がピッタリでしょう。
実際に事故に発生しなくとも、考えられるという時点で可能性はゼロではありません。
発生してからでは遅過ぎるのが事故ですので、万が一の予想が立てられるのであれば、その全てを伝えるのがベストでしょう。
『まあ大丈夫だろう』という思いの先に、事故は発生するものですからね。
『HHK』よりHHK(キガカリ)
HHKの『キガカリ』の場合の書き方です。
キガカリとは業務中、何となく感じた危険性です。例えば
- グラつく特定の商品ラックが気になる。大きな地震が来たら…
- だいぶ前から管理されていない資材が山積みにされている。荷崩れを起こしたら…
- 路面に陥没した部分がある。普段は誰も通らない場所だが、もし、その上を運搬車が通ったら…
といった内容が挙げられます。
日常的に見る事があってもその場に身を置く事が少なく、目で確認するだけで変化がない対象に多い危険性です。ゆえに油断し易く、同時に後回しにされ易いため、いざ『事』が発生すると予想外の大きな労働災害に繋がる可能性を秘めています。
キガカリの安全対策案
では、キガカリに対しての安全対策案の書き方一例です。
事例:
『○○エリアの資材ラックのうち、1基のバランスが悪いらしく、よく揺れている。関係者に確認したら周知らしいので、一度調べてもらいたい』
(考えられる)対策案:
- 問題のラックの足回りを調べる(必要に応じて調整)
- ラックのある位置の床面を調べる(必要に応じて調整)
- ラックを撤去する
- レイアウトを変更する
など。
キガカリの部分は確定要素と言うには遠いものの、『最悪を考えるならその可能性も有り得る』と言ったものです。
何となく心配性という言葉も合いそうですが、気になる部分があるという事はその部分に注意力を奪われる事にもなっているため、対象のキガカリばかりではなく、その場に近い場所で別の事故が発生する可能性を秘めているという事ですね。
また、キガカリが確信に変化した際には危険性が相当に迫っている時期でもありますので、やはり早めの対策は必要と言えるでしょう。
今回のあとがき
という、HHKに連携する安全対策案の一例とその書き方でした。
会社は全ての従業員の安全を確保した上で運営する事が望ましいとされていますが、どれだけ注意を払っても残念ながら事故は発生するもので、仮に事故が発生しなくとも可能性がゼロとは言えないのが実際の話です。
だからこそ様々な取り組みの中でも様々な事故との遭遇を考える必要があるのですが、自分だけが知っていれば問題ないというものも1つとして存在しません。
全員が事故の可能性を知り、可能な限り安全に投資するのが会社の役目の1つではありますが、その情報を伝えるのは個々の従業員の役目でもあるという事ですね。
という事で、今回もお疲れさまでした。
次のお勤めも頑張りましょう。
すえ
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※↑『安全を無視した~その2』以降は赤チン災害ではない大きな事故の話です。内容によっては気分を害するかも知れません。自己責任でお願いします。
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