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シルス&ルルフィー ハチャメチャ冒険日記 第一章1-2

シルス&ルルフィー ハチャメチャ冒険日記 第一章 1-2

前回までのあらすじ

主人公のシルスとルルフィーを進行役のシルスが超簡易的に紹介。

そんな紹介の方向性が変化し、なぜか魔法属性の説明へ…。

そしてそれはまだ続く…。

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 ハチャメチャ第一章

ようこそ! コルーの村へ 1-2

ぶおんっ!

「うわっと⁉」

でもね、高度な魔術師にもなると、その対立を中和させる事によって、更に強力な魔法を扱う事も出来るんだって。

更に、「魔法」と一言に言っても、幾つかの種類があって、ごく一般的に使われているのは人がよく言葉にする『魔法』。一般魔法とか一般魔術なんて言われている。

それと、少し前まで使われていた『旧魔法』。

これは一言には言いようが無いんだけど、さっき(前回)の講座内にあった『』の中のカタカナがその属性名称。「風」といえば『ヒュルス』なんだ。

もちろん、表現を「風」にしようが「ヒュルス」にしようが、結局、意味はまるで同じなんだけど、旧魔法は今現在よく使用されている魔法と違って、威力は高いんだけど、ちょっとややこしいものがほとんど。

古い言葉が使用されるためか、今じゃ簡単なもの以外は忘れかけられているとか。

また、旧魔法の特徴は結構判り易いもので、ナゼか『○○ヒュルス』とか、『ヒュルス○○』といったように、必ず『ヒュルス』の言葉が入っているんだ。

俺が修得している旧魔法最低ランク『ヒュルス・バスティス』もそのうちの一つ。もっとも、これしか知らないけど…。

「いい加減当たれっ! ばかシルス‼」

…うるさいなあ。

そんで、まだ幾つかあるんだけど、なんだか魔法の説明だけで話が終わっちゃいそうな勢いだから、すっ飛ばして種類を言うね。

まずはその場に何かの意思を持った者を呼び寄せる「召喚魔法」。これは『テイムタ』。

…んで、何らかの理由で正当な魔法と認められていない『禁止魔法・禁術』。

他には『合体魔法』に『合成魔法』、『複合魔法』に『精神魔法』、『古代魔法』etc………。とか、ホント種類だけは多い多い。

ホントは説明したいんだけど、あんまり聞かないで。…だって、子供だも~ん。

ゆるしてね。

「ほら、チビスケ、遅れているぞ」

「なにおー⁉」

言い返しちゃった。

それで、ようやく到達。『オリジナル魔法』なんだけど(覚えてた?)、これは自分で編み出す魔法。…と、いうのは『オリジナル剣技』と同じ。

そして、編み出し方次第で強くも弱くもなる、…と、これもまた剣技と同じ。ただ、「剣」が「魔法」に変わっただけなんだ。

そ・こ・で…、実は俺も一つ、持っているんだー。『オリジナル魔法』。…見たい?

「こんのーっ‼ 本気だしちゃうからっ‼」

…じゃあ見せてあげる。こいつ黙らせるにもいいや。

「へへ…」

「…え?」

俺が構えを変えたら、ルルフィー、なんだか驚いてる。ふふ、もっと驚け。

「大いなる風の精霊神に命ずる! 汝、その身を我が矢と化し、無数の刃を立ちはだかる敵に向けよ!」

「し、シルス⁉」

俺の背中の後ろで小さな風の精霊が集まってくるのが判る。魔法なんて、あんまり使わないから失敗したかと思ったけど…、フフッ、いける!

「シルス! あんた…」

「いけぇっ! 『スキッド・ロアー』‼」

魔法詠唱を完成させて、その名前を叫んだ瞬間、帯を引く無数の「風の矢」が、俺の突き出した右手の方向をまっすぐに飛び出して、ルルフィーの少し上を通過して遥か遠くへ消えていった。

「どうだっ!」

どう? どう? 見た? 見た? え? 文字ばっかりでわかんない⁇ ガーン…。

…まあいい。それよりもルルフィーったら…へへ、しりもちついて、キョトンとしている。

そして表情がみるみる変わって…多分、何か言うね。当ててみよう、そうだな、初めの一言は『バカぁー!』。かな?

「…こんのぉ…アァーホンダラァー‼‼」

ほらね、ハズレ。…ちょっとびっくり。

「な…何だよう⁉ お、驚かすなよぅ…⁉」

ちょっと余裕ぶって思っている事を言いたくても、なんだか言葉に「驚き」が出ちゃう。…だって、ルルフィーの顔、怖いんだもん。

「『驚かすなよ』じゃないでしょ! 驚いたのはこっちよ! 今は剣術の練習中でしょ⁉『剣術』!」

あ。…しまった。つい、忘れてた…。

「あ、あのね…」

「何よっ⁉」

「い、いやぁ~…」

ずんずんと迫ってくるルルフィー。頼むから、もっと、こう、にこやかに…。

「あんたねぇ、人が質問しているときにっ! なぁんで上の空みたいにへらへらしてるのよっ⁉ そういえば今日は練習に気が入ってないよ。ずっと! 何考えているんだかわからない顔しててっ! そんでイキナリ魔法だなんてっ⁉ …わかるように説明しなさいね! なぁぁぁぁぁんでいきなり魔法を出す気になったの⁉ 言ってみなさいぃっっ‼」

「あ…あのね…、読者にね、説明ついで…」

「『読者』⁉ 『説明』⁉」

『あんた、何ワケわかんないこと言ってんのよ』とでも言いたそうなルルフィー。いやはやごもっとも。

「…で、でもね、外したでしょ⁉ 当てる気は無かったんだよ!」

ほんと、ほんとだよぅ~。

「ちがうの! あたしは『驚いた』って言ってんの! …判らない? ほらぁ~」

あ~あ、急にお母さんぶってきたよ。はいはい、謝ればいいんでしょ? 謝ればぁ?

「わかるじゃない」

俺が『謝り』の仕草にしょんぼり構えると、今度は『イジワル姉ちゃん風』に腕を組むルルフィー様。ああ、イヤダイヤダ。

「さきほどはぁ~、おどろかしてぇ~、すいま…」

よし、逃走準備。

「せん…で・し・たぁ~! このばぁ~か‼」

うりゃーー! 逃げるぜ!

「なんですってっ⁉ あんたねー…!」

へーんだ、バーカ。偉そうにしているからこっちの考えも見抜けないんだよーだ。

…と? …あれ? 誰か呼んだ?

茂みを掻き分けながらガサゴソと練習場から逃げている途中、聞き覚えのある声が?

「ギルスさーん、こっち。どうしたの?」

ゲッ、ギル…⁉ …お父さんかよ。…何も言われなきゃいいんだけど…。

「………」

木に隠れて、ちょっと見学…。

あ、やっぱりお父さんだ。お父さんと、ルルフィーのお父さんの『アルフさん』に、『レッタさん』、あ、『ピニーのおっちゃん』まで居る。みんな揃って…どうしたの?

何かをルルフィーに向かって喋っているアルフさん。何を言ってるんだかは聞こえない。

あー、気になる。

「ねー、みんなでどうしたの?」

何も考えないで練習場に戻る俺に、

「ああ、シーくん」

…と、ピニーのおっちゃん。

「おお、シルスか。探したぞ」

…と、お父さん。

「ああっ⁉ シルスッ⁉」

…と、ルルフィー。……しまった…。

あとがき03

どうせ作品を載せるなら挿絵も欲しい所ですが、パソコンで絵を描くって非常に難しいんですね…。

なのであっさり諦めた次第ですが、アイキャッチが真っ白というのも寂しいですね…。

おまけ:この物語の登場人物(脇役)紹介1

ロン=ギルス

ヨア王国内で名を知らない人が居ないほどの生きた伝説。

27年前の大戦時にその戦いの終止符を打つ事になった三勇士のリーダー格だが、鋭い閃きが最大の武器とも言え、戦う事に関しては実のところ大した活躍はしていない。

平和を取り戻した頃はヨア王国内で唯一の拠点となるアールム城に従事したが、早くも復活の兆しを見せたかつての混乱の再来を案じ、コルー村を興してひそかな監視に勤める村の中心人物。

妻にリムンを持ち、シルス、リムスの子供を持つ。

非常に鋭い観察力・洞察力の持ち主だが、テンションの変化が少ない口調はいつでも『その辺のオヤジ』という雰囲気を漂わせており、特にシルスからの信頼性は残念ながら薄い。

フォン=アルフ

グディウス共和国の王城では聖騎士に属した戦いと信頼のエキスパート。

害を及ぼすあらゆる魔力の学問と行使が全面禁止される国内において、不運にもルルフィーが誕生。

ある程度は真実をひた隠したまま生活を続けていたが、不慮の事故でその能力が発覚してしまい、当時8歳のルルフィーに国外追放が言い渡される。

資金的に一家揃って国外に出る事が叶わなかったため、同行という形でルルフィーと共にヨア王国に移り住む。

いずれグディウスの家族を全員呼ぶつもりだが、その時はコルー村よりももっと広い場所に移った時と考えている。

ピニー・パニスガード

コルー村を興した頃から村での生活を共にするピニー一家の長男。

本来はアンナ・パニスガードという妹が存在したが、モンスターに捕食され失う苦い過去を持つ。

当時はまだ幼い年頃のピニーだったが、守れなかったアンナの代わりに村人を全力で守る意志に目覚め、以後、身を盾にして何かを守るために鎧に包まれた行動時間を多く持つようになる。

その善意は村全体の周知だが、中でもシルスが好んで接触を試みるが、年齢の差から噛み合う部分は少ない。

だが、ピニー個人からしてもシルスは弟のような存在であり、何かと陰ながら手を差し伸べる場面が多い。

レッタ

数年前に村に迷い込んだように入り込み、良い意味で奇妙な信憑性を高め、いつの間にか村のメンバーとして生活している謎の男。

非常に無口でその声を聞いた事のある人物も限られ、彼に対する知識は『レッタ』という彼の名前だけであり、それが全てでもある。

レッタがどこから流れてきたかも一切不明だが、並外れたサバイバル能力があるらしく、菜園・建築・料理・戦術・誘導が並外れて長けている。

…という話。

彼の所持するものは手製と思われる特徴あるサーベルのみ。

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