ブラック企業ワンオペスタイル実体験 ワンオペ修羅道(笑)その1 入社に関する話
本題の前に。
随分と前の話になりますが、僕は某有名牛丼チェーン店でアルバイトをしていた時期がありました。
当時33歳にしてアルバイトを始めたのは単純に小遣い稼ぎの副業でしたが、それがきっかけで人生を大きく左右されました。
とはいえ、立ち直りや考え方の変え方は柔軟な方なので、結果的に今現在を楽しく過ごせているわけですが、当時も就職難という時代に到達しており、今なおそれは深刻化しつつ現在進行形ですね。
ここで紹介する
ブラック企業ワンオペスタイル実体験 ワンオペ修羅道(笑)
は、あくまで僕自身の赤裸々な実体験ではありますが、それは営業形態の見直しをはじめ、
- ワンオペスタイルの徹底廃止
- 過剰な連続勤務・長時間勤務の廃止
- 企業側の一方的な都合による考え方の改善
などなど、
当時の社会問題をはじめとする企業内問題全てが完全に廃止されている前提として書き記すものです。
したがって、今現在はきちんと各問題点が改善され、何かと話題になる『ブラック企業』とはかけ離れた職場へと変化したと信じて過去談を進めますね。
あくまで過去談です。
過去の実体験です。
それと諸注意ですが、僕はこの某牛丼屋さんを恨んでいるわけではありませんよ。
ここはここで十分に良い意味でも悪い意味でも楽しませてもらいました。
ですが、自分が個人的に楽しむ一方で人生を狂わされた人物もたくさんいた事は事実です。
将来、あなたがどこかに就職する場合、
『こんな会社で働くことは避けよう』
『こんな会社だと気付いたら、さっさと離れよう』
というヒントを示す意味で書き示しています。
ちなみに登場人物名は全て架空名称というか、とある繋がりで呼び合った名称を使用しています。
全てがリアル体験です。
ブラック企業ワンオペスタイル実体験 ワンオペ修羅道(笑)その1 入社に関する話
某牛丼店への入社まで
当時33歳。
僕はとある工場で勤務していて、4部門統括リーダーをしていました。
とはいえ、民事再生を受け、もともとの企業もろとも従業員が解体され復活したばかりのメーカーでしたので、入社から約半年という期間しか滞在していない僕のリーダーぶりは名ばかりで、原材料の意味すら理解できない新人でしたね。
やる事は多くとも給料は完全初任給。
生活は何とかなっても小遣いが…。
まぁ、そんな理由でアルバイト募集を調べていたところ、偶然にもグランドオープン間近の某牛丼店の募集が目に入ったという流れです。
入社への決意
グランドオープンと言えば、先輩後輩の関係をあまり気にしなくても良いという利点があります。
オープンより時間が経過した店舗に限らず、あらゆる事業所では少なからず先輩後輩の関係が生まれますね。
僕はどちらかというと一匹狼に例えられるほど周囲を気にしない性格なのですが、それが災いし、特に上下関係には疎いんです。
とはいえ、人懐っこい一匹狼でもあるため体当たりではありますが、和には溶け込む事は苦手ではありません。
むしろ和から外れる同僚を引っ張り込んでコロニー化する事に長けているような?
そんな理由もあって、若手アルバイトに混ざって仕事をする事も何とかなるだろうと、応募に応える事にしました。
まあ、落選7割の気持ちでしたがね。
そんな気持ちで気楽に考えられたのも、単に小遣いが稼げればどこでもいいや。
…っていう考えがあったからなんですね。
面接会場にて
数日前に電話で面接を申し込み、あっという間の面接当日。
そして見事に面接時間に遅刻しつつも会場に到着。
そういえばグランドオープン前の企業面接って、まだ開店していない実店舗内で面接する場合が多いですよね。
僕の場合もそうでした。
『遅刻の言い訳をどうしよう?』
なんて内心ドキドキしながら店舗に入ると、複数の入社希望者が客のごとく各席で待機しており、その中で面接官らしき、後のマネージャーが1人でバタバタと走り回っていました。
汗だくになる面接官、その様子をキョトンとした表情で眺める希望者。
応援を呼ぶなり時間をずらすなり、もうちょっとやりようがあるのでは?
なんて思いつつも、『はい、ダメ!』と言われてもつまらないので黙って待っていましたね。
時代の流れなのか、アルバイト面接の希望者は多過ぎた印象が第一でしたね。
僕自身も33歳になってアルバイトだなんて、なんて思っていましたが、そんな僕の目にも50代過ぎの方や定年を数年前に迎えたような方が多く見受けられました。
で、僕よりも年下はというと…。
どう見ても10代ばかり。
10代でなければ20歳確定?
どう転んでも学生さんでした。
まあ、面接日は3日間設けられていましたので、それが全てではないと思われますが、それにしても年齢のギャップがすさまじいと感じましたね。
一言に33歳がその場に滞在する事が『場違い』なわけですが、その『場違い』が今後続くことになります。
面接前の記入事項
僕は既に転職まみれの社会人という事もあり、恥ずかしながら履歴書の書き方はマスターしていました。
当時は『パート・アルバイト用履歴書』という存在を知らなかったため、律儀に通常の履歴書にあれこれと記入し、PR文までパソコンで作り上げての参上を…。
ですが、大企業ともなると企業側専用のフォームがあったらしく、住所・氏名・年齢など、本当に最低限必要な記入欄だけが設けられた用紙が渡され、そこに改めて記入する流れとなりました。
履歴書を記入する上での『あるある現象』と言えば変ですが、一文字の誤字脱字でやり直しが発生するため、あれはあれで『単に書き上げる』という割に相当な時間を要するのですね。
そんな苦労を知ってか知らないでか、後のマネージャーさんは汗だくの笑顔でこう言いました。
面接官『あ、すいません。うち、通常の履歴書じゃないんです。こっちに記入をお願いします』
言われて手渡された記入用紙は『履歴書』というよりは、単純に入社希望者が行動できるとする希望勤務曜日と希望勤務時間がやけに目立つ用紙でした。
まあ、ちょっと考えれば当たり前とも言えますが、お店にとって必要なのは労働力。人間そのもの。
偏見でしょうが、ゼロからスタートする新人の学歴や職歴なんて、全く必要ないという事なんでしょうね。
僕は用紙の質問をさっと流し読みして必要項目を埋めると、あとはなかなかこちらに来てくれない面接官の再来を無言で待ちつつ、数え切れないくらい小さな用紙とにらめっこしていました。
面接に使用した時間帯
ようやく後のマネージャーとして認識する事になる面接官が僕の席に来たのは、用紙記入完了後40分くらい経過した頃…。
面接官が1人なのだから理解できましたが、それにしても遅い…。
この遅れは遅刻した言い訳がどうのこうのという問題を簡単に消し去ってくれていました。
ブラック企業ビックリポイントその1
ブラック企業は基本的に本隊と分隊が完全に分かれている。
この話の場合で言えば、指令役を担う企業本部と労働本位の各店舗は完全にマネージャー(店長)とブロックマネージャーに全てが任され、基本的に本隊側の援助は存在しない。
分かり易く表現すれば、全ての失敗は店舗側。指令側はきちんと指導をしている。
という事。
以下は面接の流れ。
面接官『年齢はいくつですか?』
すえ『33歳です』
面接官『勤務希望時間は?』
すえ『日中は仕事してますので22:00~01:00を希望します』
面接官『微妙な時間帯ですね。出勤を早められませんか?』
すえ『早ければ20:00~も希望できますが、仕事の残業がいつ起こるかわからないので、場合によっては遅刻する可能性も出てきます』
面接官『そうですか。…そうなるとちょっと厳しいかもしれませんね。一応、一考はしますが期待しないでください』
すえ『わかりました。なんだか忙しそうですが頑張ってください』
こんな感じのやり取りでした。
…てか、用紙見ればわかる筈の質疑応答ばかり…。
ちなみに所要時間は3分にも満たない記憶が…。
僕は面接官を担当した事があるので多少の知識がありますが、雑談程度の3分間面接は絶望的な結果ですね。
まず、興味のない相手に時間を費やす事はない。
当たり前の話です。
そして『期待しないでください』とはっきり言ってもらえた事により、不必要な不安をぬぐう事ができて、
『ああ、落ちちゃった』
って、スッキリしましたね。
期待するなと言ったのは誰?
次の日の勤務中、まだ登録していない番号から着信が…。
すえ『…はい? もしもし?』
面接官『おめでとうございます!』
…なんか、今考えると詐欺電話の挨拶ですよね…。
すえ『え?』
面接官『昨日面接しました某牛丼店ヤマさんです! 責任者会議で慎重に話し合った結果、すえさんを採用する事になりました!』
すえ『え? あ、はぁ…(テンション高いなぁ)』
ヤマさん『で、今後、研修の説明会があるので、〇日~〇日のどこか、それぞれ08:00~18:00までの間に来てください!』
すえ『え? あ? はい…、〇日から…』
ヤマさん『こちら、少しでも顔を出していただかないと、今回の採用が取り消しになる場合もあるので、必ず、どこかに来てください! よろしくお願いします!』
プー・プー…(電話切れる)
一方的な電話でした。
というか、当時存在していなかった『ブラック企業』という言葉…。
この一方的にして相手の返答を聞く素振りもないやり取りが、ある意味で強制的な人間操作法が完成していた流れかもしれませんね。
ブラック企業ビックリポイントその2
ブラック企業はとにかく時間に追われる毎日を過ごす。
当然、面接という業務の他には店舗業務も集会も存在し、その全てをこなさなければ1人前として認められない。
今回の採用の流れに関する電話のやり取りが何よりの証拠。
その上で言った側は言った事の全てを覚えていなければいけないのだから、そりゃ、指揮統制も乱れるというもの。
だって、突発的な思い付きで言ったような内容をすべて覚えきれる人物なんてそうそう居ないのだから。
もともと電話内容は書く事で記録する癖があり、室内では場所を問わず用紙にメモを取るので何とかなりましたが、これ、外で受けてたらアウトだった気がします。
とにかく、期待するなと言われた採用面接に見事(?)受かったようです。
そして僕自身の人生の数年間を揺れ動かす事態に発展するわけですね。
つづく
面接の話の番外編
僕の同僚にたばちさんという子がいました。
彼女の面接採用の流れはもっと独特でした。
間違いなく僕の社会人人生の中では一番印象に残る採用体験談です。
流れとしては採用面接受付締め切り間近というシチュエーション。
一般的に採用面接受付は期日が設けられていますが、そのほとんどは企業側で一定数に達した時点で打ち切られます。
つまり、締め切り前でも採用側が予定する人数に合格者が達したり、面接担当者がさばき切れないと判断した場合には、期日前に締め切ってしまうという事がままあるという事です。
たばちさんの行動は明らかに締め切りギリギリの連絡でしたので、例えば僕が面接官なら、
『申し訳ありません。締め切り前なのですが希望者が大変混み合う事態となってしまいました。次の機会をお待ちください』
という話になる事でしょう。
たばちさんの対応も初めはそうでした。
ですが…。
たばち『すいません、従業員募集って、まだ行っていますか?』
面接官『申し訳ありません、今から来ていただいても不採用が確実になりますので、また次の機会にお待ちしています…』
たばち『あ、はい。わかり…』
面接官『…あ! すいません! ちょっと待っててくださいっ!』
たばち『? …はい…。…?』
………数分後。
面接官『あ、もしもし!? すいません、やっぱり合格です! 今すぐ来れますか!?』
たばち『…えっ??』
ブラック企業ビックリポイントその3
ブラック企業は敵味方の識別意識が容赦ない。
敵と見定められたり業務にとって無関係と知れば見向きもしない。
故に味方意識が根付けば心身共に我が物とする考えに移り変わる。
この話の場合、たばちは初めこそ不必要な人材として捉えられたようだが、『ちょっと待っててください!』の後にこのまま開店するには何か不都合を見付けたのだろう。
だからそれを確認した直後に人材が必要と知り、『面接』ではなくイキナリ『採用』という流れになったと推測される。
採用となればその時点でたばちは従業員という扱いに至り、その結果、この牛丼屋らしく『即行動』に繋げられ、たばちの今現在の状況も確認しないまま『今すぐ来れますか?』と、これでも他人行儀に声を繋げたという事になる。
ちなみに某牛丼店正社員は当然、アルバイトですら同じ扱いを受けるのは常習的にて日常だ。
………。
電話にて
『採用面接がまだ行われているのか?』
と、尋ねたかったたばち。
その確認の中で採用確定を受ける事になったわけです。
(まだ履歴書どころか本人の姿形も知らない筈なのに…)
今回のあとがき
…………まあ、多忙な某牛丼店ではこんな採用面接もあるという事ですね。
…担当者の問題でしょうが…。
たばちさんの採用までの流れは素晴らしいですね。
世の中の企業の全てがこんな感じだったら…。
いや、この先は言わない方がいいかも。
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ワンオペスタイル実体験 ワンオペ修羅道(笑)その2 採用者に対する企業概要説明会の話へ
せっかくなので有名な牛丼の具を集めてみました。
外出しにくいコロナ対策にも有効ですが、個人的には東日本大震災時の被災時に大活躍しました。
(非常食とは別の意味で、松屋フーズさんにハマっていた)
最近の牛丼屋さんって本当にラインナップが豊富ですね。 |
こちらは元祖牛丼屋さん。 |
そして当然のこちら。『牛丼』ではなく『牛めし』を貫く個性派企業。 |
…食べた事ありません。なんか気になった…。そういえば有名店の牛丼って白滝がありませんよね…? |