スーパーマーケット 精肉部門の仕事内容|お仕事紹介
どんな人でも少なくない数で出入りする食料品売り場の1つ、スーパーマーケット。
限られた空間内部に多くの品揃えが施され、毎日の食卓を彩る食材の素材が売られていますが、
一見してどのお店でも見られる食材のそれぞれは各部門の担当者によって管理されています。
そして多くのスーパーマーケットに存在する部門のそれぞれは
レジ・サービスカウンター・事務・青果・精肉・鮮魚・総菜・日配・グロッサリー
などなどとと区分され、お店によってはこの他にも衣料品やフードコートなども存在しますが、ここではそれらをその他として区分しますね。
という事でこんにちは、すえです。
ここでは就職した際に『予想と違っていた…!』という結果にならないために、
スーパーマーケットのお仕事
を紹介していますが、更に各部門の詳細という事で
精肉部門
に絞ったお仕事内容を紹介しますね。
スーパーマーケット 精肉部門の知識と仕事内容
まずは精肉部門の知識から。
企業の規模や店舗数、また、精肉部門にどれだけ力を注いでいるかによって、現場の作業内容は大きく異なる部門と言えるでしょう。
例えば店舗を多く抱える企業の場合は精肉加工センターなどが存在し、多くの商品がその加工センターで作られるためお店に届く商品のほとんどは『そのまま商品』という場合があり、
この場合の精肉の主な仕事は値付けや陳列に集中するため、正社員枠が存在しなかったり、正社員枠があったとしても最低限の枠に留まります。
結果的にアルバイトやパートが軸になるという理由で正社員枠が極端に少ないのかもしれません。
同じスーパーマーケットでもとにかく精肉に特化するお店の場合はブロック状の肉を店内作業場で加工する事で商品化する場合もありますが、
この場合だと作業中の危険性が高まるため正社員の作業として見られ、アルバイト・パートの人数枠が少なくなる印象です。
精肉部門の仕事内容『陳列』
陳列作業がなければお店の意味合いを失う事は当然ですが、精肉部門においてもこれは同じです。
青果や鮮魚との大きな違いはメーカー発の加工商品やチルド商品が多いところで、それぞれの賞味期限がまちまちなところが難しいところです。
野菜や魚のように鮮度落ちによって著しい色や形の変化などがあれば不具合品としての発見も比較的簡単ですが、
特に加工食品は外見から察知できる鮮度落ちを見極めることが難しいため、賞味期限の把握には神経を尖らせる必要性があります。
↑精肉部門の目玉と言えばやはり生肉ですが、生故に劣化も早いという弱点があります。
これだけの数が陳列されるのは客視点からすれば『見て楽しむ』事ができますが、同時に管理の精度にも気を遣う必要が高まります。
精肉部門の仕事内容『保存』
鮮魚同様、気温や室温に大きく影響を受ける精肉の保存方法に常温は存在せず、必ず冷蔵室か冷凍室のどちらかで保存をする事になります。
ただ、上述しましたが精肉加工センターなどから入荷する商品であれば店舗従業員が手を加える必要がほとんどありませんので、『在庫』という概念が少なく、言ってみれば陳列しきれない商品を一時的な待機状態として各室に保管する意味合いが強いですね。
一方でブロック状の精肉を店舗で加工する場合は特に冷凍室から冷蔵室へ移す場面で慎重さが要求されます。
というのも一度解凍した精肉を再び冷凍する行為は品質保持の意味合いからタブー視されますので、解凍された商材に関してはすぐに売りさばくか廃棄するかという2択に迫られるわけですね。
売れるからと言って大量に商品を作り過ぎると、いざ売れなかった場合には使いまわしが通用しなくなるというわけです。
鮮魚同様、店舗内で商品を作る精肉の場合はこの辺にも神経を尖らせる必要があります。
精肉部門の仕事内容『加工』の一例
精肉加工センターから入荷をする店舗の場合は店内の加工作業がほとんどありません。
強いて言うならば、ニーズに応える意味で提示される必要量を切り売りする程度でしょうが、衛生面の問題から一度パック詰めされた商品を開けるという行為は聞いた事がありません。
店内で加工するお店では、ブロック状のお肉をステーキ状にカットしたり焼肉サイズにスライスし、商品に合わせたトレーに入れてラッピングする作業が入ります。
こちらのケースは顧客の求める量を製作することが可能ですので、必要に応じた量を切り売りする事が容易でしょう。
カット
精肉の加工の多くは手作業というよりも半機械作業と表現したほうが似合い、専用の器具を利用して求める大きさに切り分けます。
機械的に回転する切り分け用の刃を使用しますので、怪我には特に注意しましょう。
グラム売りなどのパックまたは袋詰め
ひき肉などを製作する場合には専用の機械にお肉を投入しますが、こちらは機械にお肉を入れてしまえば完全に機械がひき肉を作ってくれます。
人の手が加わる部分はと言えば、出てきたひき肉を必要に応じた量に分け、パック詰め・ラベル貼りを施す作業のみです。
袋詰め
多くのスーパーマーケットの精肉部門では『袋詰め』という工程は存在しませんが、一部では箱詰めのソーセージなどを分けて販売するケースもあるため、こういった加工された商品を分ける場合に箱から袋に入れ替える工程がある場合もあります。
精肉部門の仕事内容『発注』
発注作業のほとんどは正社員以上の仕事になるのが相場であり、アルバイトやパートが管理する事は稀と言えるでしょう。
とは言え、今は時代が進んでいるため全ての商材を人間が管理する事も珍しく、例えば定番商品と呼ばれる馴染みの商材に関してはコンピュータープログラムによる自動発注が主となっています。
ただし、地域的なイベントやリアルタイムの天候などは機械で管理できる部分ではありませんので、近日中の商品売上推移から発注数を加減するのは人の管理であり、近隣イベントに合わせた一時的な商品管理もまた人間側の管理という事になります。
例えば近所の学校で運動会があり、その前日に果物が売れると見込んだ場合には特定の商品入荷を強化するなどの動きが必要ですが、運動会予定日が悪天候となる可能性が高い場合にはその調整も必要という事ですね。
また、チェーン店とはいえ店舗ごとに地域的な強みを持つ事もあるため、企業によっては良質な品物を入手するために普段は使わないルート、普段は取り扱わない商材を利用する事で一種の目玉イベントを催す事もあります。
上述しましたが、精肉部門の多くは専属の正社員枠が設けられていない場合もありますので、そういった店舗においてはアルバイトやパートが発注管理を行うケースもあります。
精肉部門の仕事内容『温度(鮮度)管理』
極端に鮮度落ちの激しい鮮魚。これといった賞味期限が存在しなく、商品見極めの経験が商品としての延命を可能にする青果とは異なり、精肉部門の生肉はその中間的な鮮度を保つため、ある言い方をすればとてもデリケートな部門と言えるかもしれません。
例えば鮮魚部門は既に述べた通り、取り扱う商品全般の鮮度落ちが非常に激しいため、賞味期限の表記に限らず見た目の鮮度が落ちればすぐに廃棄となり、
青果であれば複数で1つと数えられる商品の一部が腐っても、良い物同士で組み合わせることで再販が可能という利点があります(ミカンや玉ねぎなど)。
また、一個体が大きな物の一部に腐敗が生じても、カットするなどの処理を加える事で再販が可能です(キャベツやメロンなど)。
このほかにも最悪、複数個所の腐敗が認められても軽度であれば、『おつとめ品』として価格を下げた販売方法も可能です。
簡単に言えば鮮魚は『劣化品=完全廃棄』、青果では『劣化品=可能な限り販売』という手段に対し、精肉部門の商品の場合はその中間に位置するため、この判断が難しいとされます。
判断の難しさは『色合い』。
生肉は色の変化が激しいものの、火を通せば大丈夫とも表現される通り、変色そのものは商品自体に大きな影響を及ぼしません。
ただし腐敗の進行になってもそれ以上の見た目で判断できる部分は少なく、変色だけと思っていたらしっかりと腐っていた…。なんて事もあるんですね。
原価的にも青果や鮮魚に比較して全体的に高値ともなるため、安易に廃棄という発想にもつながりにくいところが難点で、精肉部門の衛生管理不足による店舗のイメージダウンは他の部門クレームと比較してもやや高めな印象です。
理想は売れ残りのない陳列が望ましいところですが、販売数だけを意識すれば必然的に閉店に向けて売り場がスカスカになってしまうため、見栄えの意味でもそうはいかないところがなんとも歯がゆい問題点かもしれませんね。
いずれにしても商品の衛生管理の難しさとしては青果・鮮魚・精肉の3つの生鮮物の中で中間的存在なので、合否の判断という意味では一番難しい部門と言うことになるでしょう。
精肉部門で働く利点と欠点
最後に精肉部門で働く場合に備え、部門特有の良し悪しを簡単にまとめてみます。
全ての職場に言える話の1つとしては、どこを覗いてもその場の良し悪しがある訳ですが、それは精肉部門でも同じ話です。
ただ、その良し悪しは人の判断に委ねられるところでもあり、実際の良し悪しを判断するのは実際に働く人であるため、この良し悪しが逆転する可能性もあれば、どちらかにまとまってしまう可能性もあるかも知れませんのでご了承を。
精肉部門で働く利点
今どきのスーパーマーケット…特に複数のチェーン展開をする企業の精肉部門の多くは加工センターからの入荷に依存するため、わざわざ細かな加工をする必要性がないところに大きな魅力があるといえるでしょう。
簡略的な物言いをすれば、入荷物を可能な限り店内に並べるだけの仕事です。
メーカーから取り寄せる加工食品の多くも箱出しをする程度で力作業とは言えませんし、こちらに関しては1つ1つに対して賞味期限が明記されているため、それさえ見落とさなければ難しい作業とは言えないでしょう。
店舗内で加工するる場合でも、専門的な知識を多く必要としないところが魅力と言えるでしょう。
例えば鮮魚部門の加工の一部としては、食材の形から手を加える場合がありますが、精肉場合は入荷の時点で各部位が食肉となっているため、血生臭い印象は皆無です。
精肉部門で働く欠点
商品の原価水準が高めな精肉部門はどの部門にも共通する問題点でもある『如何にして損益(廃棄処分)を少なくするか』という部分が強く着目されます。
精肉のそれぞれの商品は他の部門と同様に単価が異なりますが、高い安いの値段設定が決して極端ではないところも特徴であり、
そのどれもが中~高水準という特徴も持ち合わせるため、安易な発注が意外な損益に直結するケースも見逃せません。
また、肉という食材は様々なイベントの目玉ともなるため、暦上のイベントはもちろん、地域的なイベントにも意識を向けないとたちまち商品が尽きてしまって機会損失に直結してしまうところも難しいところと言えるでしょう。
関連記事:スーパーマーケットの各部門業務内容紹介
以下では食料品を取り扱うスーパーでの各部門の仕事内容を伝えています。
企業規模や店舗規模によって多少の差はあるかも知れませんが、概ね通用する話ではありますので食料品スーパーに入社を考える場合には参考にして下さい。
一般的に呼ばれる部門の名称と簡単な業務内容を記しておきます。
【スーパーマーケット共通業務】へ
スーパーマーケットで働く場合に考えられる共通業務など
【レジ・サービスカウンター】へ
会計・配達サービス・雑用など
【事務】へ
電話対応・書類による管理・各部門管理・金銭管理・雑用など
【青果】へ
野菜類・果物類などの陳列・加工など
【精肉】へ
生肉類・加工肉類などの陳列・加工など
【鮮魚】へ
生魚・加工魚類(主に海産物)などの陳列・加工など
【惣菜】へ
おかずや弁当の陳列・調理など
【日配(デイリー)】へ
賞味期限の短い加工食品の陳列など
【グロッサリー(食料雑貨)】へ
賞味期限の長い加工食品の陳列など
【その他】へ
ベーカリー・イートインコーナー・日用雑貨・他、テナントなど
下記は同じくスーパーマーケットで実際に働いた場合の待遇などを総合的に記してみました。
【総合:正社員】
スーパーマーケット(食料品店)で正社員として働いた場合の総合的な仕事量・人間関係・給料関係・休暇関係・勤務地異動条件など
【総合:パート・アルバイト】
スーパーマーケット(食料品店)でパート・アルバイトとして働いた場合の総合的な仕事量・人間関係・給料関係・休暇関係・勤務地異動条件など