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ブラック企業、あるあるリストより『即戦力が口癖』内容

1.4 仕事の問題・悩み・相談

ブラック企業、あるあるリストより『即戦力が口癖』内容

即戦力…。

読んで字のごとく、既に戦力として認められた人物の事…。

言い換えれば、教育抜きでも問題なく業務開始が可能な人という事ですね。

初めに言います。

そんな人材は存在しません。

加えて言えば人間の能力の全ては経験から生まれます。

そしてその経験はきちんと理解できたからこそ発揮できるものです。

『即戦力が口癖』の企業や事業所は、間違いなくブラック企業と表現される理由の一端を担っていると思いますよ。

という事でここでは『即戦力が口癖』の職場事情を幾つかお伝えしますね。

そして本当にささやかではありますが、最後に本件となるブラックぶりに対抗する僕の術の一部をお伝えしますね。

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ブラック企業、あるあるリストより『即戦力が口癖』内容

………例えばあなたがどこぞの会社に就職し、ちょうどいま読んでいる文章(コレの事ね)を読み終わってから、初めての職場に足を運ぶとします。

そんなあなたに視線を向けて、これから共に働く事になるであろう先輩とも上司とも判らぬ人物が言いました。

『お、例の新人さんか! 即戦力として期待させてもらうよっ!』

…と。

まだどの現場に配属されるかも判らない中、あなたはその期待に応えられますか?

即戦力とはそういう意味です。

即戦力とは?

即座に実行可能・行動可能・処理可能な状態にある表現ですね。

スポーツで言うならば、例えば野球の予備選手。

レギュラーの座にはいま一歩という所まで到達していますが、チームの方針や予期せぬ事故など、レギュラーメンバーが何らかの形で欠けてしまった際に、その代行を務める事が可能な状態の控え選手。

戦力の差はあれど、これが即戦力です。

言葉自体は『即戦力』という短く言いくるめられてしまいますが、そうした戦力として認められるには長い道のりがあって然るべきと考えて問題無いでしょう。

興味が湧いて趣味が高じてプロ路線を歩む。

人生の多くを野球に捧げ、その上で幾人ものライバルを退ける能力を認められたからこそ、常時戦力の一歩手前…、それでも、レギュラーメンバーに限りなく近い期待度の高いプレイヤーとして『いざという時の即戦力』としてベンチ入りを果たすのでしょう。

 

しかし、どれだけ優れた機体の戦力であっても、それは野球の世界での話に限られます。

何故ならこの場合の話の主人公は野球一筋で人生を歩んだ選手なのですから、野球の知識を活かした将棋は指せないでしょうし、同じく野球の機敏性を活かした事務作業も難しいでしょう。

同じ人間ですので将棋も事務も出来ますが、その道で慣れた人にはまず敵わないという話です。

企業の表現する『即戦力』とは?

人の少ない企業や事業所ほど切羽詰まれば即戦力を求めます。

そして企業や事業所が求める即戦力の理想的な人物像例は以下の通り。

  • 事務員が減った。穴埋めに即戦力の事務員を募集する
  • レジ係員が減った。穴埋めに即戦力のレジ係員を募集する
  • 作業員が減った。穴埋めに即戦力の作業員を募集する

と、こんな感じですかね。

非常に分かり易いかと思われる即戦力の募集例ですが、…まあ、相当に運に恵まれなければ思い通りにならないでしょうね。

どうして『即戦力』は思い通りに集まらない?

イメージしてください。

言い方は乱暴ですが、以下はあなたに向けられた言葉と理解してください。

部品調達係のあなたに『明日○○工場で製造作業を』

日本語しか話せないあなたに『ポルトガル語で対応宜しく』

運転免許証を所持しないあなたに『4tトラックでルート配送をやってね』

電気知識が無いあなたに『この電気回路図に間違いが無いか見極めてくれ』

 

…出来ますか?

出来ませんよね?

これが企業の求める『即戦力』の一部です。

こんな例題じみた話が実際に社会問題として発生し、ニュースとして世間を賑わす場合もありますね。

 

まあ、今の話は飛躍しすぎた例題なので、特に転職時に遭遇しそうな身近な『即戦力』の例を挙げてみましょう。

  • 事務員募集。事務員の即戦力求む!
  • 現場作業員募集。現場作業員の即戦力を求む!
  • トラック運転手募集!トラック運転手の即戦力を求む!

求人広告を眺めていると、わりとよくある文言なのでは?

『即戦力』という言葉は、ある角度から眺めると勢いの感じられる心地良い表現ですが、この使い方は企業によってまちまちです。

そしてこの話は『ブラック企業あるある』の中の1つの話題ですので、当然ながら良い意味なんて含まれません。

その事を念頭に置いて次に進んでくださいね。

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ブラック企業の求める『即戦力』とは?

では、ブラック企業が口にする『即戦力』の何が悪いのかを順番に述べていきます。

1:素直過ぎるほどに『即戦力』を求める

本当にこの一言に尽きますね。

良くも悪くも『素直過ぎ』なんですね。

日本人の生活に身近な存在にコンビニがありますね。

そのコンビニの即戦力を例に挙げましょう。

コンビニの仕事と聞いて、一体何を思い浮かべます?

僕もかつてコンビニでアルバイトをした事があるので、その記憶の限りを記してみましょう。

  • レジ系(接客対応・レジ打ち・現金やり取り・金銭チェック・釣銭準備・金庫管理・配達物管理)
  • 商品(入荷商品陳列・商品入れ替え・調理・廃棄商品登録及び隔離または廃棄・特注品発注または発注依頼)
  • 清掃(店内・トイレ・窓系・駐車場及びコンビニ敷地周辺・調理器具・清掃器具の運転・清掃器具の調整・備品整理)
  • 事務(連絡事項のチェック及び書き込み・防犯カメラチェック)

とまあ、色々とやる事はありますね(2オペ)。

これらが全てが質問ナシに円滑に出来てこその『即戦力』となるわけですが、

………残念!

この記憶は20年以上も前の話ですので、今は通用しないでしょう。

そしてA企業のコンビニとB企業のコンビニとでは、同じ『コンビニ』でも方針が全く異なります。

しかも、現在はキャッシュレスやポイント消費、様々な金券が登場し、レジスタイルも変化しました。

ひとまず記憶力と器用さには自信のある僕ですが、職に困ってコンビニで即採用の即戦力と思われても、先輩方の足を引っ張る事は確実でしょうね。

無論、『即戦力』にはなれません。

なれるわけが無いのです。

でも、なぜ企業の一部には『即戦力』を強く欲しがるところがあるのでしょうか?

2:そもそも教育できる人材が居ない

その回答は『そもそも教育できる人材が居ない』という部分に集約されます。

募集側は『教える時間が無い』と虚勢を張りますが、その実は

『人の教育をする人材が育っていない』

が正解です。

より正解に近付けるとすれば、

『教育する暇がない。だから教育が出来ない。だからこそ教育無しでも1人前に働ける人材が欲しい』

これが『即戦力』の正体ですね。

ワガママにも程があるという話ですね。

じゃあ、そのワガママって何故発生するのでしょう?

3:自分が『育てられた事』を覚えていない

僕はよく相手の教育の場に等価的価値観を説きます。

例えば僕が1年間で覚えた業務には1年間の時間を要するという話です。

…となると、5年間で体得した技術には5年の歳月が必要です。

個人差はあれど、これって間違いではないと思うのですね。

ところが教育が苦手な人材は時間経過を完全に無視し、

『こんな事も出来ないのか?』

などと罵ります。

相手は勤続10年。こっちは勤続初日…。

比べられる話ではありませんが、相手の目つきは真剣そのもの。

きっと入社当時から昨日までが欠落してしまっているのでしょう。

なのでまともな話は通用せず、イキナリ路頭に投げ込まれるという状態に陥りますね。

あ、ちなみに余談ですが、こういった相手からはそれほど多くを学べませんよ。

企業全体で見ても然りです。

企業の求める即戦力

さて、では、ぶっちゃけた話と行きましょう。

企業や事業所の求める『即戦力』のごく一例です。

企業が口にする『即戦力』って、こういった内容すべてを指しているんですね。

事務員の即戦力

事務業務の全て。電話対応・書類制作とまとめ・ファイリング・資料収集・タイプ打ち込み・フォルダ管理・現場対応・追加業務の配布etc…

これらを初日から求めています。

現場作業の即戦力

現場作業の全て。関連地理完全記憶・必要とする免許類の習得済み・トラブルに発展しない技術力習得済み・単独行動可・2次3次現場急行可etc…

これらを初日から求めています。

構内作業の即戦力

構内作業の全て。通常業務と特殊業務の熟知・部下指導・商品ラインナップの熟知・必要とする免許類の習得済みetc…

これらを初日から求めています。

 

…とまあ、既存するメンバーが知っている全てを一気に任せられるのが『即戦力』という話ですね。

無理ですね。

似たような環境下で働いた経験があったとしても、企業違えば、事業所違えば、部門違えば、やり方や手順は微妙に異なり、その微妙がとんでもない差を秘めたりしているものです。

ここまでのまとめ

そんなわけで、『即戦力』という言葉を担える人材は存在しません。

どれだけ頑張っても3日間は必要でしょう。

この時点で『即戦力』ではなくなっていますね。

無理です。

笑顔でギブアップしましょう。

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ブラック企業、あるあるリストより『即戦力が口癖』内容まとめ

期待するだけで全てが伝わるなら苦労はしないという話ですね。

即戦力はどんな企業のどんな方でも欲しがる人材でしょうが、それが叶えば倒産する企業なんて話も聞かなくなるというわけでして。

また、一見して即戦力となり得る人材とは正直…存在します。

ですが、そんな即戦力さんもその現場においては全くの初心者ですので、いずれその会社では『知らされていない事』に遭遇します。

偶然に持ち前の知識とその会社の求める技能が一致しただけの話なんですね。

結局、『即戦力』とは考える能力や知能の浅い企業や事業所が一方的に夢見る『もしも…』の話でしかないと言うわけですね。

即戦力になり得る可能性を秘める唯一の条件は、上述した野球の話ではありませんが、同じ世界に身を投じた人物が代役を買って出れる場合に限った話なのです。

求人広告で目にする

『即戦力求む!!』

…避けた方が無難でしょうね。

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ブラック企業、あるあるリストより『即戦力が口癖』対抗措置

『即戦力』とまで言われなくとも、『こんな事も出来ないの?』と呆れられた場合はどう対処します?

謝ってはいけませんよ。

謝る意味が無いのですから。

では本題。

対抗措置パターン1:敬う(敬ってないけど)

これも上述していますが、僕個人が念頭に置く等価的価値観の出番です。

僕は自分で納得のいかない叱責を受けた場合には必ずこう質問します。

すえ『あなたはこの現場でどのくらい働いていますか?』

と。

すると相手は先輩意識を持っているため、サラッと勤続年数を答えてくれます。

例えば、

『3年だ』

と答えたとしましょう。

そして僕も答えます。

『じゃあ、僕も3年後には今のあなたに追い付くように努力します』

と。

ついでに、

『3年かぁ~…。自信ないなぁ~』

とか言ってみます。

ヨイショですね☆

対抗措置パターン2:逃げる

よほど給料や休暇に魅力がない限り、こうした環境下に身を置き続けるメリットは無いと思います。

そもそも叶わぬ即戦力の実現は先輩方の不満しか買う事がありません。

職業選択の誤りを自ら認めるのも立派な成長だと思いますよ。

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おまけ

これまでさんざん転職してきた僕も、一応は学習能力はありますよ。

そんな様々な企業内の様々な先輩方の言葉には、何故か共通する言葉というものが存在します。

話題は各企業の勤続年数や、新人時代から今現在を振り返って…。

みたいな内容なのですが、それぞれ全く異なる企業の6人から出てきた、偶然なのか必然なのか、そんな言葉の一致です。

仕事なんて未だに完全に覚えていないよ。…でも、3年経った頃から、なんとな~く、解ってきた気がするんだよなぁ…

もちろん、全員が全員で同じ言葉を言い放った訳ではありませんが、

未だに仕事の内容を完全に理解できていないような気がする

3年経過した頃から仕事内容が理解できた気がする

という部分が共通しており、僕個人としては非常に興味深い言葉なんですね。

で、話の路線を戻せば、

やっぱり即戦力なんて実現不可能

という事なんですね。

強いて即戦力を叶えられる人物を表現するとすれば、

天職であり、ズバ抜けた目視による吸収力を有し、その上でとんでもなく器用な人材。

…と、こんなお人柄の事ですかね?

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