アイドルファンの追っ掛け行為の鉄則を知る(叩き込まれる…)
どうもです! すえです!
仕事をしていると様々な顔触れと面識が生まれるもので、転職だらけとなるとその顔触れは行先によって倍増どころの話では済まなくなります。
僕はこれまで少なくない転職を繰り返してきましたが、当然ながら出逢う人々の多さに比例して意気投合した人物も少なくなく、
中には僕の世界観外の話を伺う事も少なくありませんでした。
こちらのカテゴリーでは僕にとっては別世界の雑学そのものですが、その世界にはその世界の考え方があるもので、そういった内容で印象深いものをピックアップして記しています。
アイドル追っ掛けの彼
はい、という事で、ここでは僕が学ぶ事になった『アイドル追っ掛け』と呼ばれる、特定アイドルに対する猛烈なファングループ一員の行動についてを紹介します。
アイドルの追っ掛けを知ったキッカケ
当時のアルバイト同僚に聞いた話の中に、同じアルバイト従業員でアイドルの追っ掛けをしている人物が居るという話を聞きました。
僕はもともと特定のお笑い番組と一部のニュース以外は好んで番組に目を通すことも無かったため、認識としては『テレビ=ゲームをプレイするための機材』といった感じでして、アイドルと言われてもピンとこないものがありました。
もちろん、アイドルという言葉くらいは知っていましたが、それも『アイドル=人気女性』くらいの認識であり、それに対する『追っ掛け行為』という言葉も17歳当時のその時が初めてでしたね。
まあ、アイドル追っ掛けという言葉を知ったキッカケはそういった内容であり、同僚の口調からすると、少なくとも関したような話ではないようでした。
今では社会に馴染んだ『オタク』という言葉ですが、当時は意味も無く嫌煙されており、追っ掛け行為と言うのもそちら方面に捉えられる感じとして伝わってきた事を強く覚えています。
アイドル追っ掛けをする本人に直撃
僕のアルバイト時間帯は深夜でしたが、その日は突発的な欠勤が発生したとの事で、埋め合わせ的に僕に声が掛かりました。
時間割をきちんとこなす方向で運営するそのコンビニでは異なる勤務帯の人員が投入される事は非常に稀な話ですが、まあ、たまにはいいか…程度のノリで僕も答えました。
…で、その時のパートナーとなったのが、少し前に聞いたアイドル追っ掛けの彼だったのです。
基本的に人付き合いを苦手とする性格らしく、その時間帯のアルバイトからはあまり良い印象の話を聞く事はありませんでしたが、仕事はいたって真面目だったのが印象的です。
ただし、やはり人付き合いに難があるためか、僕が目線を合わせても嫌そうに目を逸らし、隙あれば仕事ついでに隠れてしまうような行動が見て取れましたね。
ところが僕としてはせっかく出会った人と一言の会話も無く時間を過ごす事が苦痛な性格ですので、今後も一緒に仕事をする可能性を考えれば何でもいいから雑談の一つでも交わしてみたいという思いがあるもので…。
二人一組のレジ態勢
そのコンビニではレジの扱いは二人一組が基本でした。片方がキャッシングをする一方で、もう片方が袋詰めを行うという、あの方法です。
全ての客の対応を終えた後に、すかさず僕は彼に関する唯一の情報を尋ねました。
アイドルの追っ掛けって何するの?
言葉を選ばないにも程があると未だに笑え、こんなにドストレートでなくてもいいだろう、なんて事も思えますが、
当時の僕にとっては最初で最後の質問に等しかったため、背中を向けられる前に全てを言い切るにはこの質問法しか思いつかなかったんですね(笑)。
『………誰に聞いたの…?』
物凄い剣幕で、明らかに迷惑そうな反応でしたが、彼とその情報をくれた同僚が犬猿の仲という事も知っていたため、そこは『誰かの話を通りすがりに聞いた』程度に答えて回避しました。
彼なりの苦悩
追っ掛け行為は当時の彼にとって人生そのものと言って過言ではないでしょう。
幼い頃の出来事が人間不信に繋がり、今現在もそれが続く中で生活の為に嫌々アルバイトをしているとの事で、唯一の趣味が好きなアイドルの追っ掛け行為と称される『声援を送る』事という話でした。
しかし、一般社会的目線からすれば追っ掛け行為も『行き過ぎた狂信的なファン行為』という認識が強く、いわば犯罪行為の助長とすら唱えられる節があったようです。
その背景には強烈の度を越えたファンがアイドルに対して危害を加える事件が発生する事例もあり、メディアとしての情報を鵜呑みにすれば、さもファンの全てがアイドルに危害を加える(可能性がある)という解釈ができる部分も確かにありますね。
そういった熱烈を越えた狂信的な存在感として追っ掛け行為を認識される面があり、別方面では単なるオタクでしかないという周知があるため、彼自身としては自分が特定アイドルの追っ掛けである事を隠しているという事でした。
(どうして彼がアイドルの追っ掛けである事を同僚が知っていたかは謎ですが…)
反論:苦悩する必要は無い
口を開くたびに暗い顔になる彼に、僕が胸を張って言える事が幾つかありました。
当時の僕は小説家を夢見ており、オリジナルのシナリオなどを書いていましたが、こういった行為も周囲で認めてくれる人もいれば、そうでない人も大勢います。
しかし、趣味の世界というものは暗い明るいというものが存在する事は無く、その道にどれだけ没頭できるかという個人の楽しみでもあるため、それを他者が口出しするものではないという事。
また、趣味の世界というものはその路線をどこまで深く追求できるかという話でもあるため、何かしらの趣味や生き甲斐を持つ人物という者は、全てその道のオタクであるという事です。
さしずめ彼が特定のアイドルオタクとするならば、僕は僕で活字オタクと言ったところでしょう。
アイドル追っ掛けの定義
内容の方向がどうあれ、いったん話が始まれば彼の口調には活力がみなぎってきました。
そして特定アイドルの追っ掛けグループの存在意義を教えてくれました。
ここから先は彼とそのグループ内で共通する定義のようなものですので、追っ掛けグループ全体に通用するかどうかは分かりません。
全ては特定アイドルの延命活動
好きなアイドルが元気に活躍する姿はファンとしてこの上なく喜ばしいもの。
しかし、アイドル界の生き残り競争は素人が考える以上に厳しく、先輩後輩の関係からたちまち自信を失うアイドルも少なくないとか。
基本的にアイドルは側近のマネージャーや仕事先の関係者と時間を共にする事が非常に多く、友人知人との付き合いが基本的に無いも同然。
明らかな年齢差と一緒に行動を共にし、出る会話も仕事に集中するため、話が合う筈もなくメンタルの面では脆くなり易い。
追っ掛けの出来ることはそういった弱体化するメンタルをなるべく回復する役割であり、応援する事だけが自分たちに出来る事なので、出来る事のみに専念する事で思いを届け、アイドルとしての延命を図る。
グループの全員は特定アイドルのみのファンであり、恋愛対象ではない
特定のファンの追っ掛け行為の理由は1つ。
あくまで声援を送り続ける事でアイドル人生の延命を図るもので、アイドル本人への恋愛の感情を持つ存在ではなく、『好き』の意味合いが根本的に異なる。
例えるなら自分の子供を見守るようなイメージであり、無償で体を張る事はあっても見返りを求めるような対象ではない。
何より追っ掛けを行うほどに自分の存在理由を教えてくれた相手でもあるため、そもそもは雲の上の人という相手であり、彼女には彼女が得るに相応しい相手が居る筈。…と言うのがグループ全体の考え。
将来的に幸せな人生を送ってもらうべく、活躍の路線を出来る限り引き続ける事が自分たちに出来る数少ない事であり、その形無い表現が『声援』という名のエールである。
なので、追っ掛け対象のアイドルが結婚を発表すれば心から嬉しいと思うだろうし、出産すればその子の幸せを真に願うのがファンとして当たり前のルール。
アイドルに危害を加えるファンはそもそもファンではない
本当にファンを語るのであれば、対象が傷付く事は出来る筈もないというのが当たり前。
恋愛目的で近付くファンはファンとは言わず、優しく言っても変質者でしかない。
普通に考えてテレビの中の憧れの人物とは全くの他人であり、仕事の一環で様々な演出をしているだけで、配信先やホール内部の全員に送る為の作った表情でもある。
そういった表情に魅了されるのは構わないが、だからと言って手中に収めようとする行為や行動は正常な人間の判断とは思えない。
追っ掛けをする人物が単独ではなくグループ化する理由の1つは、そういった異常者の接近を遠ざける意味もあり、仮に事件によくあるような刃物を持って突進という事態が発生すれば、こちらは体を張ってアイドルを守るのみ。
もともと肉体的に自信のないグループだから、応戦なんか出来る筈もないが、アイドルが避難するための時間稼ぎくらいにはなると思う。
追っ掛けファンの総まとめ
僕は人の趣味や行動に口出しできる程の人格ではありませんが、この話は追っ掛けどころかアイドルにすら興味の無かった僕にとって、斬新の一言にしかならない話でした。
自らの収入のほとんどをアイドルの声援一本に絞るため、交通費用がバカにならないと笑う彼には『本物・本気』という言葉が感じられましたね。
他にもアイドルがどんな表情でスタジオから出現しても、声援を送る側は常に全力の声援を送る事に徹する事とか、
例えばマネージャーに叱られて泣いている場面に出くわしても、叱るマネージャーの気持ちをわかり易く弁明しながらアイドルを応援するなど、
対象のアイドルを守るためにはアイドル周囲の人物も守る事になり得る大変さも教えてもらいました。
とにかく対象のアイドルのファンであり、そのアイドル人生の延命を図る事が当時の生き甲斐と彼は語っていましたが、
同時に対象アイドルが引退するまでに目標の1つくらいは持ちたいとも語っていましたね。
この話は僕にとって『無償の愛』という言葉がしっくりくる内容ですが、唯一の心残りは…、結局そのアイドルの名前が覚えられなかったところでしょうかね?
とまあ、人生稀に見ると思われる、本当の意味でのアイドルファンのお話でした。
すえ
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