悪い事をしたら『その穴埋め』処分。これが社会の当たり前
おはようございます! すえです!
かつてお世話になったアルバイト先にて、知らなかったとはいえ、僕は無銭飲食をしていました。
正確には通称『深夜店長』をはじめとする、同じ深夜勤務関係者全員ですが、そのうちの1人に僕も混ざっていたというか…。
この話にはストーリーがあり、ここでは『解決最終編』? というか、そんな感じのお話です。早い話が起こしてしまった罪に対しての尻拭いとその結末ですね。
『どうしてこういった事態になったの?』
と、流れを知りたい方は前編と表現できる下記のページへどうぞ。軽犯罪の流れの1つを知る事が出来ますよ! 何の自慢にもなりませんがね!
では参りましょう。
悪さの告白 正義ぶった考えが大惨事に発展 その2
一部の誤算はあったものの、聴取開始の段階ではコレといった大きな問題点も無いままに開始されました。
無銭飲食に関与した者は僕とクラスメイト、そしてターゲットである通称『深夜店長』の3名という手筈です。
企業側の成り行きとしては、『僕からの告白⇒クラスメイトの介入告白』という事で、ここに主犯である深夜店長を足した総計3名の問題となる手筈でした。
……………しかし…………💧
僕とブロックマネージャー
第一幕ではありませんが、まずは唯一の情報提供者という立場にある僕がブロックマネジャー相手に質疑応答していきます。
内容は先のエリアマネージャーにされた室質問とさほど変化が無く、言ってみれば同じ問答の繰り返しでした。
僕が漠然と答えた無銭飲食の合計金額は12000円ほど。数値化して見ると決して大きくはない金額ですが、僕の場合は飲料に手を出した事が数える程度でしたので、弁当の無銭飲食と比較すればこれでも割高設定です(面倒なので出勤の数に合わせて弁当数を数値化し、同様に飲料も同じ数字にした。ちなみに手にした飲料の数は2本)。
クラスメイトとブロックマネージャ―
続いて僕が対談中に姿を現したクラスメイトの告白です。内容の詳細は学校での照らし合わせでしたが、彼が起こした損害は約8000円程度。
入社数週間にしては少々多い気がしましたが、彼の場合は通称『深夜店長』同様、店の商品の幾つかを自宅に持ち帰っていたようでした。
不安に圧し潰された同僚
前回の話で触れましたが、この問題の犠牲は大本となる『深夜店長』と僕という設定でしたが、そこに偶然遅れて入社したクラスメイトを足して一連は終了する手筈でした。
が、クラスメイトの聴取中に『自分だけが逃れても良いのか?』と自問自答をした結果、今後の不安感を覚えた彼は聴取の場に出頭してきてしまったんですね。
キャリア的には僕よりも長く、当時の深夜メンバーの中では『深夜店長』に次ぐ経験者でもあります。
手を出した金額の詳細は知りませんが、少なくとも僕たちよりは上という、後のブロックマネージャ―の話でした。
これで主犯の『深夜店長』以外が名乗りを挙げる事になり、結局のところは深夜従業員全員が商品に手を出していたという話にまとまってしまいました。
あさっての方向の関係者
金額差の不一致はともかくとして、深夜従業員が全員関与していたという所で決着が付いたところに更なるトラブルが発生しました。
その日が聴取日と知らなかった夜帯の学生アルバイトが買い物に来店し、どことなく異様な店内の雰囲気を察知。
記録ノートには万引き被害として報告が上がっており、彼もその内容は知っていたわけですが、当日出社のアルバイトさんに『関与者が呼び出され、今現在聴取を受けている』と知らされると、買い物に来たアルバイトさんまで『実は自分も関与した』と告白してきたのです。
夜帯の関与者に関しては僕もまったく知りませんでしたが、考えてみれば『深夜店長』は現在で表現するフリーターですので、業務に穴が開いたら昼でも夜でも店に立つ事が可能であり、隣に立つ誰でも巻き込む事は可能だったのですね。
『深夜店長』が『深夜店長』と呼ばれる理由は、主に人手不足が集中した深夜業務に投入される機会が多く、彼自身も入客が少なく突発的な業務の発生が少ないところなどから深夜業務を好んでいたようで、誰かが冗談で言った『深夜店長』という言葉がそのまま定着したようでした。
いずれにしても別時間帯の勤務者が関わっていたという事で、深夜帯関係者に関しての話は終わったものの、マネージャーの立場としては話が振出しに戻ってしまったようなものでした。
本来は該当する(告白してきた)深夜従業員とターゲットである『深夜店長』のみが聴取対象でしたが、こうなると聴取対象を全時間帯に広げる必要があるという事です。
それでも救いは『深夜店長』を他店舗応援に回さなかった所だと聞きましたが、その理由はこうも大事になると知れば理解も早いもので、仮に『深夜店長』が他店舗応援に行ったとなれば、そっち方面でも被害を出す可能性は十分に考えられたという事ですね。
処分
この会社の学生による内部犯罪に対する処分は予め決定されていたようで、
会社からの処分そのもは窃盗に関わった本人に委ねられる
…というものです。
どういうことかと言うと、件の問題関与に対し、各個人はどのくらいの反省をしているかという所に会社は焦点を置いているようでして、
実際に処分が言い渡されるには僅かな期限を設けられ、その間に関与者がしかるべき行動を取るか否かというものです。
会社の求めるしかるべき行動は実に簡単な内容ではありますが、人間の心理を…恐らくは最大限に揺さぶる行為ではあるかと思います。
そしてその答えはブロックマネージャーがちゃんと教えてくれます。
ブロックマネージャーの話
『いいかな? 俺たちは仕事の一環としてこうして君たちに処分を下す事になってしまったが、会社の基本として犯罪者は警察に引き渡す事になっているんだ。
でも、未成年であって学生という立場の君たちの将来的な事を考えると、人生全体の中のたかだか60万程度で前科を与える行為は正直したくないし、個人的に心苦しいんだ。
何よりも被害発覚と同時にこちら側が調査を入れる前に告白してくれた事は有り難いし、もともと目を付けていた『深夜店長』の名前が全員の口から出てきた事もあって、これまでの被害の主犯が彼である事もほとんど確定的になってきた。
彼の今後はこちらが執り行うが、証拠をつかんだ時点でどういった理由を述べられても警察に引き渡す事にする。
君たち関与者への処分は君たち自身に決めてもらう。
この事実をきちんと親に話す事。なるべく正確に話す事。
これだけだ。
会社は内部犯罪の発覚に対して警察に引き渡すのがまっとうなやり方とは考えていなくてな、本人が事の重大さにどれだけ気付いてもらえて、これからの社会生活の中で同じ過ちを犯さないかという部分に注目しているんだ。
自分の親に自分の悪事を伝える事は…たぶん、尋常じゃなく辛い事だと思うが、警察に引き渡しても今度は警察から真相を親に伝えられる事になるから、逃げようとしても結果は変わらない。
いいか? 後日の処分言い渡しはそれぞれ各個人に追って連絡するが、それまでにきちんと親にこの事を伝えるように。
そして俺たちは教育方針の在り方を考える学校の先生ではないから、この話は『例え話』でもなければ『そうしろ』という強制でもない。
でも、後日の処分言い渡しにこれが出来ないようであれば、反省を促す意味でも俺たちは間違いなく警察に引き渡す事になり、これはこの会社の規則であって、そうしなければ今度は俺を含めたマネージャーが生活できなくなるんだ。
理解しろという話でもない。ただ、『そうするよ』という決められた内容なんだ。』
起こした問題は自分で解消する
ブロックマネージャーはそこまで言い、聴取の全てを終了しました。
『迷惑かけてすいませんでした』
という、しどろもどろな僕たちの謝罪に対し、ブロックマネージャーは
『そんなのいいから、ちゃんと親に言うんだぞ』
と返してきました。
詰まりを感じさせない説明や返答が内部犯罪の多さを伺わせ、いかにも慣れたといった感じでもあり、同時に口約束だけの人物が多く、
結果的に警察沙汰に発展してしまうケースが多いと言っているような、この日最後の言葉でしたね。
特殊任務…?
僕にはその後に1つだけやる事がありました。
『深夜店長』にもともと目ぼしが付けられていた事は聴取の中で感じ取れましたが、その自宅が割り当てられないという悩みがあったようです。
当時はカーナビも無ければ携帯電話もありませんので、実際に知らない目的地に進むとなれば、地図帳が頼りのアイテムになります。
ですが一般的な地図帳だと細部が簡略されている場合が多く、『深夜店長』の自宅は入り組んだ場所にあるため発見に至っていなかったという話でした。
偶然ですが、彼との勤務中に地元の話になった事があり、その中で彼の自宅を教えられた時があったのを覚えていたのです。
彼の自宅への入り口は1つしかなく、一見すればその手前に鎮座する専門高校の入り口でしかあませんので、知らない人からすれば『まさかその先に住宅街があるとは…!』といった場所なんですね。
僕もマネージャーたちの用意してくれた地図帳を眺めてみましたが、確かにそれだけでは専門高校以外は何も無いように感じさせられる地図でした。
『深夜店長』の自宅を確認
エリアマネージャーの運転する車にブロックマネージャーと僕が同乗し、僕の案内で『深夜店長』の自宅探しという運びになりました。
記憶は正しく、確かに専門高校敷地に沿う形で細い道路が一本伸びています。
しかし、裏門があるようで学生たちの出入りが多数目撃できますが、その少し先でアスファルトの道路は途切れ、代わって農道のような土の道に変化していました。
見ただけでは僕もこの先に住宅街があるかどうか疑問でしたが、マネージャーたちはこの辺を何回か訪れていた事があったらしく、道路らしい道路を全て伝っても彼の家には到達できなかったという話でした。
ただ、今回の道路に関しては専門校の所有する専用の通路、といった認識が存在していたため、ここだけは入り込まなかったという場所でもあったようです。
道路に入るとすぐにアスファルトから土に変化し、表からは木に隠れて見えなかった折れ曲がった先で再びアスファルトに変化しました。
そしてそこに数件の借家が見えました。
『うわぁ~…、こんなの初めて見た。…店開けるな、こりゃ…』
ブロックマネージャーの言葉に続く声はありませんでした。『唖然』という状態だったのでしょうね。
借家敷地に小さな倉庫並みの折り畳みコンテナが積まれており、青い壁が完成していました。
ただ盗んで来るに等しいずさんな扱いは自宅に入り切らないらしく、中には商品が入ったままのコンテナも複数見えます。
塵も積もれば…とはよく言いますが、1つではさほど気にならないサイズの折り畳みコンテナも、集まれば凄い事になるという事だけは理解できました。
本来はこのあと僕を開放し、2人のマネージャーで彼を取り押さえるつもりのようでしたが、予想外の盗難量につき、日を改めて多くの社員で取り押さえ、そのついでに折り畳みコンテナの回収も行うという流れになったようです。
その時のブロックマネージャーから頂いた呆れた説明が印象的です。
『すえ君、アレな…、実は商品の盗難はそんなに大きな被害額にはならないんだよ。単価が高くてもコンビニで扱うようなものはせいぜい1000円がいいところで、それ以前に原価計算になるからね。
でも、折り畳みコンテナって発注に1つ5000円以上するんだ。そんなのがこんなに庭一杯に積まれているとなると、それだけで60万を簡単に超えてるかもな…』
今回のあとがき
本来は僕と『深夜店長』のみの犠牲で済ませる告白は、結果的に店の関係者全員を巻き込む形となりました。
最終的な関与者は合計8人だったと思いますが、勤務時間が異なるメンバーの詳細は分かりません。
それにしても『深夜店長』の店内持ち出しの盗品量は驚きました。
折り畳みコンテナはあのサイズで結構な幅を取るものであり、推測ですが一般乗用車に乗せるとなれば、3~4箱がいいところでしょう。
それが壁を作る程の数ともなれば相当なものですね。
僕が目撃した彼の『店舗間移送』のほとんどは折り畳みコンテナではなくビニール袋を使用していましたので、単純な窃盗回数はコンテナの数の数倍という事になります。
こうやって書いていても『いくら何でも…』と感じてしまうのですが、これが常習(習慣)の怖さなのかも知れませんね。
そしてこの事はきっと本人も気付いていなかった事でしょうし、むしろ増え続ける折り畳みコンテナの処分にさぞ困ってもいた事でしょう。
という事で、長い文面を読んでいただいた上に結末まで追い付けずすいませんでした。
次はこのお話の最後となる『それぞれの結末』についてをお話しますね。
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