スーパーマーケット 青果部門の仕事内容|お仕事紹介
どんな人でも少なくない数で出入りする食料品売り場の1つ、スーパーマーケット。
限られた空間内部に多くの品揃えが施され、毎日の食卓を彩る食材の素材が売られていますが、
一見してどのお店でも見られる食材のそれぞれは各部門の担当者によって管理されています。
そして多くのスーパーマーケットに存在する部門のそれぞれは
レジ・サービスカウンター・事務・青果・精肉・鮮魚・総菜・日配・グロッサリー
などなどとと区分され、お店によってはこの他にも衣料品やフードコートなども存在しますが、ここではそれらをその他として区分しますね。
という事でこんにちは、すえです。
ここでは就職した際に『予想と違っていた…!』という結果にならないために、
スーパーマーケットのお仕事
を紹介していますが、更に各部門の詳細という事で
青果部門
に絞ったお仕事内容を紹介しますね。
スーパーマーケット 青果部門の知識と仕事内容
まずは青果部門の知識から。
青果部門の『青果』とは、誰もが想像し易い範囲で言えば『野菜』や『果物』といった、土や樹木(大地)から収穫できる食材を取り扱う部門と考えれば理解し易いかも知れません。
全ては種や苗から管理される植物の類ですので牛や魚から採取される食肉とは異なりますが、水を得、呼吸をして成長している所からそれらを失うと当然生きる事が出来なくなり、結果的に鮮度落ちする事から生鮮物として取り扱いという事になりますね。
また、この記事内では青果というくくりを『青果部門』と表記していますが、この表現は企業によって表現方法が異なりますので、足を向けるスーパーによっては『青果係・青果担当・青果組』などと表現が変わる場合があります。
本当に大きな規模を有するスーパーでは『青果(野菜+果物)』ではなく、『野菜』と『果物』という風に担当が分かれているかも知れませんね。
取り扱う商品の中には同じ土からの収穫という意味からか、生花を取り扱う場合もあります。
食材という目的の商品ではありませんが、テナント等に造園や園芸に関するショップが存在しないお店の一部ではこうした商品を取り扱っている場合もあるという話で、青果部門だから花を取り扱う…という話でもありません。
ただし、食料品店で取り扱う青果部門の生花とはフラワーアレンジメントやインテリアを意識したものではなく、彼岸などに使用する目的で販売される事がほどんどです。
更には加工食品というカテゴリに分類されますが、元は生鮮物という枠からの派生の意味からか、ドライフルーツなどの長期保存型の果実が生鮮物と共に陳列されるケースもありますよ。
青果部門の仕事内容『陳列』
現物を売ってナンボのスーパーマーケットでは、まず全ての部門で陳列は欠かす事の出来ない仕事の1つであり、青果部門においてもそれは変わりません。
スカスカの品揃えではいくら鮮度重視であっても、買い物客の目線からすれば『この店、大丈夫かなぁ?』という印象を植え付けてしまいますからね。
多くのお店の青果部門では季節に合わせた商品の陳列を意識するため、その変化の異なりを演出する意味合いも兼ねて入り口のすぐそばに青果部門が設置されているケースが見受けられます。
特に売り出し宣伝の商材に関しては定番商品と呼ばれる一般的な商材とは異なる扱いを大々的にする傾向が強く、『平台』や『大量陳列台』と呼ばれる大きな陳列台に山積みにされるケースもありますね。
これらの陳列は商材の数に合わせて簡単な作業ではありませんが、精肉や鮮魚部門と比較した場合には多少の鮮度の融通は利きますので閉店後、開店前もそのまま放置という商材も少なくなく、全部を入れ替えるという行為は滅多にある訳ではありません。
ただし人気商材に関しては売り場の欠品や虫食い状態の陳列状況に変化する事もままありますので、常々商品補充や並び替えによる見栄えの維持に努める意識は必要です。
来店者は何か必要なものがあるから買い物に訪れるもの。
ところがお店側の従業員は誰が何を必要としているかは判断できません。
なので、無理のない範囲で、かつ、多くの商材を不自然のない状態で陳列する必要があります。
青果部門の仕事内容『保存』
店内に陳列し切れない商材の多くはバックヤードや作業場と呼ばれる場所で商品を在庫として保存します。
青果部門で取り扱う商材は食肉類とは異なり、野菜や果物の性質に合わせた保存方法を意識しないとたちまち鮮度が落ち込んでしまいますので、商材に合わせた保管の方法を意識する必要性があります。
多くのお店で採用される保管場所と言えば、『冷蔵室・蘇生室・常温室』と呼ばれる3つの空間であり、
例えば冷蔵室であれば耐久性のあるキャベツや大根、椎茸などの保管に役立てられます。
冷蔵室という名の通り、一部屋丸ごとの冷蔵庫と表現して差し支えありませんので、多くの在庫生鮮物が出入りする部屋でもあります。
恐らく一般の人が聞き慣れない蘇生室という空間では、鮮度落ちの早いホウレンソウや小松菜といった、『葉物』と呼ばれる商材が主に保管されているイメージとなり、主に水による栽培で得られる商材もこの部屋での保管になります。
簡単に言えば収穫された直後から早い時間で劣化してしまう商品の鮮度を保つ事が目的の部屋であり、室内には水蒸気を発生させる装置が取り付けられ、常に霧が立ち込めたような視界となっています。
一方で野菜は何でも冷蔵室や蘇生室に入れれば良いという話でもなく、玉ねぎやジャガイモなどは常温室と呼ばれる外気にさらした状態で保管する事になります。
南国のイメージが強いバナナなどもこの類であって、これらを闇雲に冷蔵室等に保管してしまうとたちまち鮮度が落ちてしまったり、見た目がおかしくなってしまう特徴がありますので注意が必要となるんですね。
また、状温室には保管のためのこれといった装置は必要としないため、専用の部屋を設けずに通路の片隅で保管されるケースも見受けられます。
青果部門の仕事内容『加工』の一例
例えば大根やキャベツの『2分の1売り』や、サヤエンドウやソルダムの『パック売り』というものを見た事がありませんか?
全ての商材がその対象と言うわけではありませんが、わりと多くの商材のそれらはお店で加工された姿である事を知っていましたか?
バックヤードから売り場に出される商品のほとんどはそのまま箱から取り出された姿となりますが、その量だと使い切れないというお客様に合わせ、お店ではそうした加工を実施するわけです。
カット
青果部門の加工工程のほとんどは難しいものではなく、中華包丁のような大きな包丁でキャベツなどの塊を一刀両断(笑)し、それらをラッピングして売り場に陳列します。
カットの技術面に関しては包丁を縦に降ろす事が出来れば誰にでも出来る作業ですので、例えばドラマなどで目にする『全体重を駆使して…』と言うような演出じみた無茶な動作は必要ありません。
僕の知る限りの『強敵』は…、カボチャですかね(笑)。アレは確かにカタい。
こういった硬さを誇る野菜に対しては専用のカッターが存在しますので、力に自信が無い人でも困難を極める場面というものは無い事でしょう。
むしろカットでの困難な相手はスイカ。硬さはカボチャに対してなんて事はありませんがカット範囲が広く、刃渡りの意味で一刀両断とはならず、失敗すると断面が残念な見た目になるんですね…。
特にニーズに応えるという意味合いで4分の1カットや8分の1カットなんてものもありますが、球体を等分割するのって、結構な神経を使います。
この辺は慣れるしかないという話になってしまいますが、回を重ねれば案外奇麗な断面を作り上げる事も事実です。
例外的な強敵はと言えばパイナップルですかね。
特殊なカット器具を使用しますが、それでもどうかという強靭さを有しています。そんなパイナップルに関しては慣れない内には必要となるかも知れません。…『全体重』が…。
グラム売りなどのパックまたは袋詰め
食する1つの実が小さなものは個別に販売する事が難しいため、ひとまとめにして販売される場面が多い印象です。
例えるならばサヤエンドウを筆頭にした『豆系』、小さな実で完成型となる『プチトマト』、ある事に越した事はなくとも大量の数を必要としない『大葉』など、小分けする野菜とは案外多いものです。
これらの食材は使用用途は多くとも大量に消費する食材でもありませんので、多くの場合は小分けされますが、この小分けを『グラム売り・パック売り』などと表現します。
グラム売りは主に1つ1つの実が小さなものや、カットされた食材の重さによって決められた100グラム当たりの単価が重さに応じて反映します。
よく見かけるグラム売り商品はと言えば、豆系・チェリー系に多い印象で、粒の小さな商品がその対象となり易い傾向にありますね。
また、カット商品のグラム売りで印象深いのはレンコンやカボチャでしょうか。
おかずの主役とも取れる食材ではありますが、まるまる買うと処理に困る印象が強めの食材に多い感じです。
同じパック詰めでもグラムではない『数』や『商品のダメージを防ぐ販売方法』も存在します。
トマトやリンゴ、ブドウ系などがパック売りされている事は多く目に出来ますね。
どうしてわざわざパック詰めされるかというと、その大きな理由は主に商材の耐久性の問題やバラつき問題を解消する為です。
トマトもリンゴも個別販売は別段珍しくありませんが、衝撃に弱い商材でもあるため山積みに適さない面もあります。
そこでパック(トレー)に並べる事で陳列時のバラつきや転がり(落下)を防止し、鮮度を可能な限り保つ意味があります。
また、ブドウなどは非常に実がばらつき易いので、パック内に封じる事で取れてしまった実をその場に留める効果があります。
袋詰め
主に一束売りの商品に必要な作業で、バラつき防止や周囲の衝撃を緩和する効果があります。
何よりも特定の規格袋に入れるため、陳列時の見た目が良くなります。
袋詰めを行う商品は数多い印象ですが、特に多く感じるのはニラやセロリといった縦に長い商品や、箱買いするには数の多いミカンやリンゴに多い印象が強いですね。
青果部門の仕事内容『発注』
発注作業のほとんどは正社員以上の仕事になるのが相場であり、アルバイトやパートが管理する事は稀と言えるでしょう。
とは言え、今は時代が進んでいるため全ての商材を人間が管理する事も珍しく、例えば定番商品と呼ばれる馴染みの商材に関してはコンピュータープログラムによる自動発注が主となっています。
ただし、地域的なイベントやリアルタイムの天候などは機械で管理できる部分ではありませんので、近日中の商品売上推移から発注数を加減するのは人の管理であり、近隣イベントに合わせた一時的な商品管理もまた人間側の管理という事になります。
例えば近所の学校で運動会があり、その前日に果物が売れると見込んだ場合には特定の商品入荷を強化するなどの動きが必要ですが、運動会予定日が悪天候となる可能性が高い場合にはその調整も必要という事ですね。
また、チェーン店とはいえ店舗ごとに地域的な強みを持つ事もあるため、企業によっては良質な品物を入手するために普段は使わないルート、普段は取り扱わない商材を利用する事で一種の目玉イベントを催す事もあります。
青果部門の仕事内容『温度(鮮度)管理』
在庫として保管する商材をそれぞれの特徴に合わせた空間で管理する事はバックヤード(作業場)での話ですが、売り場に出された商品の鮮度管理も重要な仕事の1つです。
バックヤード側では商材に合わせた保存方法が確立されていますが、売り場では買い物客への配慮が優先されるため大部分の空間は人に合わせた室温調整がされています。
そんな中で生鮮物は陳列されるため、商品によっては著しく鮮度劣化が激しくなるため、この管理は絶対に外せない項目となりますね。
生鮮物であるが故に鮮度落ちの末に腐り始める商品を扱っているわけですが、その理由を多くの人が知っているとはいえ劣化商品を購入されてしまってはクレームの元となりますので、一番目を光らせなければいけない部分と言えるでしょう。
よくあるクレームの一例ではありませんが、袋物は注意が必要です。
例えば10個入りのミカン袋があったとすると、表から見た感じでは全ての鮮度が保たれているように見えても、裏側の一個がいつの間にか腐っていた…なんて事はよくある話なんです。
また、冷蔵ケースや冷凍ケースの温度管理も重要です。
わざわざ専用の場所に商品を陳列しているわけですから、当然ながらその商品にとっての適温が維持されているわけですが、そんなケースの温度が異常を示していたら、並べられる商材が一気に劣化する事になります。
多くの企業は『鮮度(温度)チェック管理』を設けていますので、一定時間ごとに全ての冷蔵・冷凍ケースに異常が無いかどうかを見て回りましょう。
青果部門で働く利点と欠点
最後に青果部門で働く場合に備え、部門特有の良し悪しを簡単にまとめてみます。
全ての職場に言える話の1つとしては、どこを覗いてもその場の良し悪しがある訳ですが、それは青果部門でも同じ話です。
ただ、その良し悪しは人の判断に委ねられるところでもあり、実際の良し悪しを判断するのは実際に働く人であるため、この良し悪しが逆転する可能性もあれば、どちらかにまとまってしまう可能性もあるかも知れませんのでご了承を。
青果部門で働く利点
青果・鮮魚・精肉…と続く生鮮物部門の中で、唯一血を見る事のない職場であるところは食品店に身を置く人にとってのある種の憧れというか、理想の職場と言われているようです。
あらゆる食肉や何かと油を扱う総菜とも異なり、全ては新鮮さがモノを言う商材を取り扱うため、臭い移りの悩みも少ないようですね。強いて挙げれば『青臭い』と言ったところでしょうか。
単価の問題から旬の食材や真新しい食材を真っ先に試食できるのも魅力と言えば魅力です。
青果部門で働く欠点
3つある生鮮物との決定的な違いは売り場の広さとそれに合わせた品数の多さ、そして季節によって変化する取り扱い商材の変化に対する対応に加え、商材の特徴に合わせた保管方法です。
同じ生鮮物取り扱いの場所で働くのであれば…という事で青果部門比較的人気が集中する部門ではありますが、その一方では何かと変化に追われ、それに対応しなければいけない部門でもあるのですね。
特に多くの人は肉や魚を食卓の主役にする一方で野菜を主役にするという話はあまり聞きませんが、何を食卓の主役にするにしてもサブメニューとして野菜や果物を添える傾向もあるため、欠品に関してはシビアな目線を向けられる場面も多々あります。
そうでなくとも『健康志向』という意味では野菜の摂取は強く勧められているため、そのメインとなり易い商材の欠品は致命的です。
多くの客層は青果コーナーを通過して鮮魚・精肉と足を進めるため、お店のスタート地点となり易い青果コーナーの見た目とはお店自体の宣伝的役割も果たすため、一番気が抜けない部門なのかも知れませんね。
また、鮮度という意味では使用される農薬の問題や農薬そのものを使用しない無農薬が目を引きますが、人間の体にとって美味しいものとはその他の生物にとっても美味しいものとなります。
よって、良質な商材ほど虫ごと納品される事もあり、虫嫌いな従業員にとっては毎日が修羅場になるかも知れません。
経験談としては、マッチョなチーフさんの大絶叫を聞きつけて作業場まで急行した事がありますが、実は大の虫嫌いだとかでキャベツの上にちょこんと出現した青虫を前に硬直していた姿が今なお印象的です。
腐ったものを触れる事を苦手とする人にも難しい部門かも知れませんね。
いつかの野菜不足問題で、それでも店内に商品が無いのはおかしいという事で入荷時点で問題だらけの商品を選別した事がありますが、ほとんど溶けているキャベツを鷲掴みにしてしまったあの感覚は数十年たった今でもある種のトラウマです(笑)。
肉や魚とは異なり、青果で取り扱う商品の多くは一見して正常と感じる不具合品が多く、臭いもさほど強烈ではありませんので手にする時に油断し易いのです。
なんだかこう書き表してみると欠点の方が多い印象になるかも知れませんが、それだけ重要な部門という事にもなりますね。
関連記事:スーパーマーケットの各部門業務内容紹介
以下では食料品を取り扱うスーパーでの各部門の仕事内容を伝えています。
企業規模や店舗規模によって多少の差はあるかも知れませんが、概ね通用する話ではありますので食料品スーパーに入社を考える場合には参考にして下さい。
一般的に呼ばれる部門の名称と簡単な業務内容を記しておきます。
【スーパーマーケット共通業務】へ
スーパーマーケットで働く場合に考えられる共通業務など
【レジ・サービスカウンター】へ
会計・配達サービス・雑用など
【事務】へ
電話対応・書類による管理・各部門管理・金銭管理・雑用など
【青果】へ
野菜類・果物類などの陳列・加工など
【精肉】へ
生肉類・加工肉類などの陳列・加工など
【鮮魚】へ
生魚・加工魚類(主に海産物)などの陳列・加工など
【惣菜】へ
おかずや弁当の陳列・調理など
【日配(デイリー)】へ
賞味期限の短い加工食品の陳列など
【グロッサリー(食料雑貨)】へ
賞味期限の長い加工食品の陳列など
【その他】へ
ベーカリー・イートインコーナー・日用雑貨・他、テナントなど
下記は同じくスーパーマーケットで実際に働いた場合の待遇などを総合的に記してみました。
【総合:正社員】
スーパーマーケット(食料品店)で正社員として働いた場合の総合的な仕事量・人間関係・給料関係・休暇関係・勤務地異動条件など
【総合:パート・アルバイト】
スーパーマーケット(食料品店)でパート・アルバイトとして働いた場合の総合的な仕事量・人間関係・給料関係・休暇関係・勤務地異動条件など